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【国際】

スー・チー氏は解決策示せず ロヒンギャ問題「深い懸念」

 【マニラ=北川成史】フィリピンのマニラで十三、十四日に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議では、ミャンマーで迫害されたイスラム教徒少数民族ロヒンギャが隣国バングラデシュに逃れている問題が取り上げられた。グテレス国連事務総長が「深い懸念」を表す一方、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相はほぼ従来の説明を繰り返し、問題解決の道筋は見えなかった。

 「難民が多数生まれていることは地域の不安定要因になりかねない」。十三日の国連とASEANの首脳会議冒頭、グテレス氏はスー・チー氏を前に強調した。国連安全保障理事会も六日、議長声明で深刻な懸念を示しており、問題長期化へのいら立ちがにじむ。

 一方、フィリピン大統領報道官によると、スー・チー氏は十三日のASEAN首脳会議で問題に触れた。ミャンマー政府が設けた特別委員会の勧告に沿った対応を図っていると説明。難民帰還でバングラデシュと合意できれば、三週間以内に手続きを始めるとの意向を示すとともに人道的支援を求めた。手続きなど詳細な説明はなかったという。

 ロヒンギャはミャンマーで国籍がなく、帰還に向けた身元確認の難しさが指摘される。特別委勧告に沿って国籍を付与するには、法改正や国民の理解が必要になる。スー・チー氏の説明はこうした疑問への回答にならなかった。

 ASEANの他の加盟国は表立った批判を控えた。本紙が入手したASEAN首脳会議の議長声明案は、ロヒンギャが住むミャンマー西部ラカイン州への人道支援の必要性には触れているが、内政不干渉のASEANの基本原則から踏み出さなかった。

 問題を巡りティラーソン米国務長官は十五日、ミャンマーを訪れ、政府高官らと会談する。米国務省は十月、ミャンマー軍幹部への制裁検討を表明するなど批判を強めており、会談内容が注目される。

 国際移住機関によると、ロヒンギャ武装勢力とミャンマーの治安部隊の衝突が起きた八月二十五日以降、バングラデシュに逃れたロヒンギャ難民は六十万人を超えた。

 

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