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【国際】

日欧EPA 年内合意へ 対立の投資分野は先送り

 【ロンドン=阿部伸哉】日本と欧州連合(EU)は、七月に大枠合意を発表した経済連携協定(EPA)で、年末までに貿易分野だけで合意する調整に入った。対立点の投資分野の協議を切り離し、先送りする。日欧交渉筋が本紙に明らかにした。米国を除く十一カ国による環太平洋連携協定(TPP)と同様、二〇一九年の発効を目指す。

 同協定が発効すれば、欧州からのチーズやワインなどの食品が安くなったり、日本からの工業品の関税が撤廃されたりする。

 日欧とも「貿易分野なら技術的な問題しか残っていない」(通商担当のマルムストローム欧州委員)との共通認識。米トランプ政権がTPPやEUなど多国間の枠組みを批判している中、「わずかな対立点のため妥結できないのはおかしい」(日本政府交渉筋)と焦りの声が上がっていた。

 またEUは来年以降、離脱する英国と新通商交渉を始める可能性があり、日欧EPA交渉では身動きが取りづらくなる事情がある。

 対立しているのは、海外投資した企業が進出先の政府に不利な扱いを受けた場合に訴えることができる「紛争解決手続き」。日本はTPP同様、米ワシントンにある世界銀行傘下の仲裁機関を使うよう主張するが、EUは「大企業寄り」として拒否。欧州各国が裁判官を選べる「投資裁判所」新設を提案している。

 EUは「年内いっぱい日本を説得する」(マルムストローム氏)考えだが、加盟国には既に投資問題先送り案を説明。日本の交渉筋は「投資問題で譲歩はない」と断言し、先送り案を歓迎している。

 ただTPPなど日本が結ぶほとんどの自由貿易協定には紛争解決手続きが入っている。日欧がこの問題で解決の見通しがないまま最終合意を急ぐことに「拙速」との批判も出そうだ。

 

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