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【国際】

COP23閉幕 リーダー不在際立つ 日本は発信力不足

 米国のトランプ大統領による「パリ協定」離脱表明後、初めてとなったドイツ・ボンでの気候変動枠組み条約第二十三回締約国会議(COP23)は十八日、リーダー不在が際立つまま閉幕した。米政府の存在感は薄れ、欧州連合(EU)や中国も、オバマ前政権下の米国に代わる指導力は発揮できずじまい。温室効果ガス排出が問題とされる石炭火力発電の建設計画を進める日本も、温暖化対策促進への発信力は乏しかった。 (ボン・垣見洋樹)

 会議終了が予定より半日遅れたのは、先進国から途上国への資金援助を巡る対立が一因。「米国第一」を掲げるトランプ政権は、途上国の温暖化対策を支援する国連の「緑の気候基金」への拠出についても「多くの国が支払っていない」として、停止方針を明らかにした。「トランプ政権が及ぼした最大の負の影響」と中米セントルシアの代表団メンバーは嘆く。

 パリ協定の規定上、米国が実際に離脱できるのは二〇二〇年。今回の会議に各国が首脳や閣僚を送り込んだのに対し、米国のトップは国務次官補代行だった。

 「欧州は米国の代わりを務める」(マクロン仏大統領)、「革新的技術が特に貧困に苦しむ国で役立てられる必要がある」(メルケル独首相)。独仏首脳は十五日、そろって意気込みを語ったが英国のEU離脱の影響が温暖化対策に影を落とす。

 温暖化を巡る交渉に詳しい名古屋大大学院の高村ゆかり教授(国際法)は「英国が過去の交渉で活用していたアフリカ諸国とのパイプがなくなり、EUの影響力が低下する。EU単独で米国の穴を埋めることは難しいだろう」と指摘する。

 途上国と先進国との橋渡し役を期待された中国も、今回は途上国の立場に固執し、厳しい義務が課される先進国とは異なるルールの適用を訴え続けた。

 日本政府関係者は「個人的見解だが、中国は途上国グループの信頼を失わないようあえて妥協しない姿勢を見せている。来年は、パリ協定推進へ音頭をとることを期待したい」と話す。

 一方、日本は、石炭火力発電の建設計画を市民団体から批判された。環境NGO「気候ネットワーク」の伊与田昌慶(いよだまさよし)研究員は「会期中に日本が拍手を浴びる場面があっただろうか。日本の存在感が希薄なのが残念だった」と振り返った。

 

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