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【国際】

ロヒンギャ、子ども心身に傷 家族失い「将来見えない」

バングラデシュのクトゥパロンに近いバルカリ難民キャンプで先月31日、「子どもにやさしい空間」で絵本を楽しむ子どもたち

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 ミャンマーで迫害され、バングラデシュに逃れたイスラム教徒少数民族ロヒンギャのうち、約六割は十八歳未満とみられる。多くの子どもが親やきょうだいを失った。心身に傷を負った子どもたちへのケアが大きな課題になっている。 (バングラデシュ南東部クトゥパロンで、北川成史、写真も)

 少女の左手と右足首にひどいやけどの痕が残る。黒いベールを上げると、後頭部に縦約十五センチの裂傷が走り、髪がはげている。

 コックスバザール南方のクトゥパロン難民キャンプで暮らすショビタベゴンさん(14)。約二カ月前、ミャンマーの治安部隊に家を焼かれ、逃げる途中に棒で殴られた。両親と六人のきょうだいは殺され、一人きりだ。「将来は何も見えない」と声を詰まらせた。

 ショビタベゴンさんのような子どもたちのため、国連児童基金(ユニセフ)は難民キャンプに、遊びや学びの場「子どもにやさしい空間」の設置を進めている。ここで子どもたちは絵本や歌を楽しむ。少しでも子どもらしい時間を持たせるためだ。

 両親をなくしたザーネアローン君(12)はお絵描きに没頭。「友だちもできた。楽しい」と笑顔を見せた。

 「子どもにやさしい空間」で働くソーシャルワーカーのベビー・バルアさん(25)は「子どもたちを孤独にしたら、悪い考え方の世界に行く可能性がある」と警鐘を鳴らす。

 ただ、難民が増加の一途をたどり、子どもたちへのケアは追いついていない。施設づくりだけでなく、両親のいない子どもたちの里親探しも急務だ。

 ユニセフのバングラデシュ事務所関係者は「継続的な支援のため、資金や人員の充実が必要」と危機感を強めている。

 

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