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【国際】

北朝鮮の挑発再開 警戒 北をテロ国家再指定

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 中国共産党の習近平(しゅうきんぺい)総書記(国家主席)の特使として訪朝した宋濤(そうとう)党中央対外連絡部長が二十日、帰国した直後にトランプ米大統領は北朝鮮をテロ支援国家に再指定した。北朝鮮は宋氏訪朝に冷淡で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談は実現しなかったとの見方が有力。米国への強硬姿勢を強めるのは確実で、背水の陣を敷く北朝鮮を相手に、核・ミサイル問題で局面転換を図るのは、さらに難しくなったようだ。 (北京・城内康伸)

 「正恩氏とは会わないんじゃないか」。訪朝した宋氏が十七日、正恩氏の最側近、崔竜海(チェリョンヘ)党副委員長に正恩氏への贈り物を渡したという朝鮮中央通信の報道に接した際、北朝鮮消息筋はこう予測した。これまで中国要人が北朝鮮最高指導者と面会する場合、贈り物を直接渡していたからだ。

 朝鮮労働党機関紙・労働新聞は二十一日、正恩氏がトラック工場を視察した記事を大々的に伝える一方、宋氏の帰国は四面でわずかに触れた程度。中朝双方とも二人の会談に言及していない。正恩氏が宋氏と会わず「冷遇」したとすれば、米国の圧力に押され、制裁を強化する中国への不満の表れとみられる。核・ミサイル開発への決意を間接的に示したとも言えよう。

 ただ、北朝鮮は貿易の九割を依存する中国との決定的な対立は望まない。北京の外交関係者は「正恩氏が宋氏に会えば、北の立場を直接伝え、対立が先鋭化する可能性がある。習氏の特使と正面衝突することを避けたのだろう」とみる。

 二十一日付の中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は論評で「朝鮮は本意を曲げてまで、中国に笑顔を見せない。一方で中国に突然、怒りだすこともない」と解説してみせた。

 北朝鮮は二カ月以上、弾道ミサイル発射などの軍事挑発を控える。韓国情報機関・国家情報院は「国際社会の制裁で財源不足に陥っている」などと分析するが、北朝鮮関係者は「計画通りに(開発を)進めているだけだ」と反駁(はんばく)する。

 北朝鮮外務省は三月、トランプ政権によるテロ支援国家再指定の動きが明らかになると「敵対的態度の表れ」と強く反発。「言い掛かりをつける代価が、どれほど過酷か痛感することになる」と警告していた。

 実際再指定されたことで「米国の(北朝鮮)敵視政策が改めて確認された」と、挑発行為を再開し、米国の圧力に屈しない姿勢を誇示する恐れがある。

 「厳しい逆境の時期。自力更生こそ、国家発展の巨大な推進力、朝鮮の真に恐ろしい『水爆』だ」。米朝間の緊張が一段と高まると予想してか、労働新聞は二十日、自力更生を水爆になぞらえ、その推進を呼びかける論説を載せた。正恩政権は国内の引き締め強化に乗り出している。

 

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