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【国際】

混迷のカタルーニャ 冷めない独立機運

 「投票に行くつもりはなかったけど、住民を殴る国の警官の映像を見て行くことにしたの。中央政府は大きな過ちを犯したわね」。スペイン北東部カタルーニャ自治州の州都バルセロナ。会社員マリア・アンヘレスさん(43)は、州の独立賛成が九割を占めた先月一日の住民投票を振り返った。

 スペインには自治州が十七あるが、カタルーニャの面積は全国土の一割にも満たず、人口は愛知県より少し多い約七百五十万人。一自治州が独立を求めるのは、独自の文化やポルトガルに匹敵する経済力を持つとともに、中央政府に抑圧されてきたという市民感情が根強いからだ。

 デモ参加者の多くが当初は「すぐに独立は無理でも、自治権を拡大できればいいと思っていた」と口をそろえる。しかしラホイ政権は、住民投票を力ずくで阻止するため投票準備を進めていた州政府高官ら十四人を逮捕。投開票日には、全国から動員した警官が投票所の住民に暴行を加えた。

 州政府は住民投票の結果を受け独立を宣言したが、ラホイ政権は憲法に基づく自治権停止を初めて適用。州政府の全閣僚を解任し、反逆罪などで訴追する手続きを進めている。

 中央政府による強権的な姿勢に抗議デモは一層勢いを増し、投票直後の参加者は数十万人規模に膨らんだ。ある男性は「民主的な投票への弾圧はフランコ政権(一九三九〜七五年)そのものだ」と怒りをあらわにした。頓挫した独立への熱気は冷めやらない。 (バルセロナで、竹田佳彦)

 

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