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【国際】

上海に東京裁判記念館 中国計画 歴史問題で日本けん制

 【上海=共同】第二次大戦で勝利した連合国側が日本の指導者の戦争責任を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)の記念館を中国上海市に建設する計画が進んでいることが二十五日、分かった。上海交通大・東京裁判研究センター長の程兆奇(ていちょうき)教授が明らかにした。

 習近平(しゅうきんぺい)指導部は「日本の侵略戦争を断罪した」と東京裁判の意義を強調。憲法改正論議など「戦後体制」見直しの動きが進む日本に対し、歴史問題でけん制を強める狙いがありそうだ。完成すれば、江蘇省の南京大虐殺記念館などと同様に「抗日」教育の重要拠点に認定される可能性が高い。

 中国は「戦勝国」の立場を誇示して中国を戦後の国際秩序の構築者とアピール。愛国心を鼓舞し、十月の共産党大会で掲げた「強国建設」に向けた国内の機運を盛り上げたい思惑もありそうだ。

 日本政府は一九五二年発効のサンフランシスコ平和条約で東京裁判を受諾した。しかし同裁判を巡っては、日本の保守層などから連合国による報復の意味合いが強く、A級戦犯の東条英機元首相らが問われた「平和に対する罪」は事後法の適用だとの批判がある。

 一方、中国はA級戦犯が合祀(ごうし)された靖国神社に現職の首相や閣僚が参拝することに激しく反発している。

 程氏によると、中国政府から昨年夏に許可が下りた。上海市当局などが市内で土地を選定中で完成時期は未定だが、裁判関連の資料や写真のほか、裁判官や検察官、東条元首相らの姿を描いた巨大な油絵などを展示する予定だ。東京裁判は四八年十一月に判決が言い渡され、A級戦犯二十五人を有罪とし、東条元首相ら七人が絞首刑となった。

<東京裁判> 第2次大戦に勝利した連合国が日本の指導者の戦争責任を裁いた極東国際軍事裁判の通称。1946年5月〜48年11月に行われた。28人がA級戦犯として起訴され、途中死亡者ら3人を除く25人全員が有罪を言い渡され、東条英機元首相ら7人が絞首刑、16人が終身禁錮刑、2人が有期禁錮刑。判事は米、英、仏など戦勝国から選ばれ、中国からは当時の中華民国が派遣した。日本は52年発効のサンフランシスコ平和条約に基づき、裁判を受諾した。 (共同)

 

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