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【国際】

エジプトテロ IS急進派流入、関与か 「背教者」なら市民も標的

拘束前にチュニジアで説法していたハーズィミ師とされる画像=動画投稿サイト「ユーチューブ」から

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 【カイロ=奥田哲平】エジプト北東部シナイ半島のモスク(イスラム教礼拝所)で三百五人が殺害された二十四日の襲撃事件を巡り、過激派の事情に詳しい識者からは、イラクとシリアで敗走した過激派組織「イスラム国」(IS)の中で特に急進的なグループが今回のテロに関わったのではないかとの見方が出ている。自派の主張を受け入れない人々を全て「背教者」とみなして攻撃の対象にするこのグループは、欧州など各地に拡散している可能性があるという。

 二十四日のテロの犯行声明は確認されていないが、モスクを襲撃した武装集団はISの旗を掲げていたとされ、ISの関連組織「ISシナイ州」が関与した疑いが強まっている。現場のモスクには、イスラム教のスーフィズム(神秘主義)の信者が集まっており、スーフィズムを異端視するISは昨年十一月に地元の指導者の一人を殺害する映像を公表していたからだ。

 ただ、今回の現場近くの男性(28)が「生き残ったのは遺体の下敷きになった人だけ」と語るほど、武装集団は、子どもを含む金曜礼拝の参加者を執拗(しつよう)に殺害しており、過去のISシナイ州のテロに比べ、残忍さが際立つとされる。国際テロ組織アルカイダ系のシナイ半島を拠点とする組織も二十四日、襲撃を「大きな過ち」と非難する声明を出している。

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 過激派の動きに詳しいエジプトのジャーナリスト、モニア・アディブ氏は、IS傘下の「ハーズィミ派」の流入の可能性を指摘し、「IS内部でさえ危険視された。自らの教義と異なる者はイスラム教徒であっても背教者とみなし、一般市民も標的にする」と強調。地元紙アルシュルクは先月、治安当局者の話として、シナイ半島でハーズィミ派戦闘員の存在が確認されたと報じたばかりだ。

 ハーズィミ派の勢力など全貌は不明だが、サウジアラビアの宗教指導者アハマド・ビン・オマル・ハーズィミ師の「思想」に感化された若者が中心。そのハーズィミ師は、ISでさえ教育によって「真のイスラム教徒」に変えられると考える信者をも、処刑すべき対象と教えるなど、IS以上に過激とされる。二〇一五年四月に危険思想を広めた容疑でサウジ当局に拘束され、収監中だ。

 アディブ氏は、欧州へのIS帰還者にハーズィミ派が含まれている可能性も排除できないとし「いつテロを起こしても不思議ではない」と警告している。

 

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