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【国際】

アイルランドも政局混乱 閣外協力の党 副首相に不信任案

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 【ロンドン=阿部伸哉】英国の欧州連合(EU)離脱交渉のカギを握るとされる隣国アイルランドの政局が混迷している。二十四日、フィッツジェラルド副首相に対する不信任案が提出され、少数与党の統一アイルランド党を中心とする政権が崩壊する可能性がでてきた。英国のEU離脱交渉がヤマ場を迎える中で、英国、ドイツに続いて主要国で与党が揺らぐ事態となり、交渉の迷走が懸念されている。

 不信任決議案を突き付けたのは、少数与党を閣外協力で支える第二党の共和党。フィッツジェラルド氏が二〇一五年、汚職を内部告発した警察官に対する警察組織の嫌がらせを放置したと主張している。

 ロイター通信などによると、バラッカー首相は応じない構えだが、他の野党も不信任案に賛成する意向だ。共和党は、二十八日夜までに首相側と副首相辞任で合意できなければ、閣外協力を撤回すると明言しており、総選挙実施の可能性が高まる。

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 十二月十五日が有力とされるが十四、十五の両日には、EU首脳会議が開かれる。首脳会議は英国との交渉で「十分な進展」があったかを審査し、英国が望む通商交渉に進むかを決める重要な節目だ。特に、英領北アイルランドと陸続きの国境を持つアイルランドの意向は大きい。英のEU離脱後も、検問なしに自由に往来可能な国境管理を求めるが、英側から妙案は出ておらず、アイルランドは不満を募らせている。

 バラッカー首相は「われわれは拒否権を持つ」として、EU首脳会議での安易な妥協を拒否する構え。だが国内政治の混乱により、どういう姿勢で臨んでくるのか不透明になってきた。

 当の英国もメイ政権は少数与党で、離脱交渉ではEUの未払い分担金など「手切れ金」問題で譲歩するのが手いっぱい。EU中核国のドイツも、メルケル政権が三党連立に失敗。国内政治に没頭し、EU内のまとめ役となる余裕を失っている。十二月のEU首脳会議で対英の通商協議開始が決まらなかった場合、英メイ政権も崩壊し、離脱交渉自体が決裂するとの見方が出ている。

 

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