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【国際】

核実験被害マーシャル諸島 大統領「日米に失望」

インタビューに応じるマーシャル諸島のハイネ大統領=共同

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 【マジュロ=共同】米国の核実験の舞台となった太平洋の島国マーシャル諸島のハイネ大統領が二日までに、共同通信とのインタビューで、核兵器禁止条約に反対する米国などの核保有国や日本に対し「失望した」と批判した。条約採択に尽力した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))に十日、ノーベル平和賞が授与されるのを前に首都マジュロで語った。

 マーシャル諸島では一九四六〜五八年、米国が六十七回の核実験を実施。そのうち五四年のビキニ環礁での水爆実験では、静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」の二十三人も被ばくした。ハイネ氏はICANについて「将来的に核廃絶が可能との希望をもたらした」と高く評価した。

 核禁止条約は前文で広島、長崎の被爆者と核実験の被害者の苦痛に留意すると宣言している。

 核保有国は条約に反対し、米国の「核の傘」に入る日本も参加を見送った。ハイネ氏は「だからこそICANの活動が続けられるべきだ。いつかは核保有国が廃絶に賛同するかもしれない」と期待をにじませた。マーシャル諸島は条約に賛成しているが、議会で審議中としてまだ署名はしていない。

 一方で「核実験の長期的影響の一つは高い発がん率だと考えているが、患者全員を治療できるほど財政的余裕がない」と懸念を表明。放射能汚染で故郷を追われ、帰還できない人への対応も課題として挙げた。

 マーシャル諸島は安全保障を全面的に米国に委ねているが、ハイネ氏は核実験の被害とは切り離すべきだと指摘。「特に米政府に対し、報いを求める」と述べ、米国に毅然(きぜん)とした態度で臨み、今後も補償を求め続けていく考えを示した。

 ハイネ氏はマーシャル諸島初の女性大統領で、昨年一月に就任した。

 

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