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【国際】

中独が企業主権で衝突 共産党、外資に「党組織設立を」

在中国ドイツ商工会議所がホームページ上に公表した、共産党の外資系企業への影響力拡大を懸念する声明文=浅井正智撮影

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 【上海=浅井正智】中国共産党が外資系を含む民間企業に党組織を拡大させ、国際的な摩擦を生み始めた。在中国ドイツ商工会議所は強い懸念を示し、撤退までちらつかせている。相手国の商慣行を無視した中国側の方針を巡り、他の国からも改善を求める声が出てくる可能性がある。

 中国で、党による企業経営への介入が顕著になったのは今春。党の末端組織を社内に設けるとともに、重要な経営判断には党組織の意見を聞くよう定款の書き換えを要求し始めた。

 党規約は、三人以上の党員がいる企業や学校などでは党組織をつくらなければならないと定める。これまで外資系企業には厳格に適用されてこなかったが、共産党大会が開かれた今年、締め付けが一気に強まり、外資系の七割が既に党組織を設けたとされる。

 独商議所が発表した声明は「従来の法律や商慣行では、党組織を社内につくる義務や法的根拠はない」と批判。「自由な経営判断こそがイノベーションと成長の基礎だ。外資系企業に影響力を拡大するなら、中国市場からの撤退や投資戦略の再考もあり得る」と中国側に善処を求めた。これに対し、中国側から公式の反応は出ていない。

 ドイツにとって中国は昨年、最大の貿易相手国となった。約五千二百社が中国に進出し、約百十万人の雇用を生み出している。

 独経済紙・ハンデルスブラットは「中国に進出する独企業の間に、中国政府が約束した経済の構造改革が進んでいないことに失望が広がっている」と報道。今回の声明の背景として、中国に対する根深い不信感がうかがえる。

 在中国欧州商議所のハルボーン会頭は以前から「党組織がビジネスの意思決定に関与するなら対中投資に懸念が生じる」と警告していた。

 上海日本商工クラブによると、日系企業の中にも定款を変更した社があるという。「企業の意思決定に具体的な不利益が出たら対応を話し合う必要があるが、まだそこまでには至っていない」と様子見の段階だ。

 

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