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【国際】

米ロ、宇宙では対立棚上げ 財政難で背に腹代えられず

モスクワ郊外の訓練施設で11月29日、宇宙船搭乗の最終試験に臨むロシアのシュカプレロフ氏(中)、米国のティングル氏(右)、日本の金井宣茂氏の3宇宙飛行士=栗田晃撮影

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 【モスクワ=栗田晃】ロシアの宇宙船「ソユーズ」が十七日、ロシアと米国、日本の金井宣茂(のりしげ)宇宙飛行士を乗せ、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から国際宇宙ステーションへ向けて打ち上げられる予定だ。ウクライナ問題での対ロ制裁などロシアと米国は多方面で対立を続けるが、財政難を背景に宇宙開発では相互依存を余儀なくされ、協力を維持している。

 旧ソ連時代には「宇宙大国」として名をはせたロシアだが、財政難で関連予算が減少し、米国の協力が宇宙開発存続のカギを握る。一方の米国も二〇一一年にスペースシャトル計画を停止して以降、自国の宇宙飛行士をロシアの宇宙船に乗せている。

 その米国では今年八月、ロシアに対する経済制裁強化法が成立。経済力で後れをとるロシアにとって、宇宙での協力を止めることは米国に実質的ダメージを与えるほとんど唯一の報復措置といえ、ロシア通信は十月、上院筋の情報として、米宇宙飛行士の搭乗停止を検討していると報じた。

 しかし、現実には、米国との協力を見直す動きは鈍い。ロシア紙RBKによれば、ロシアは昨年、二五年までの十年間の宇宙関連予算を当初予定の二兆八千五百億ルーブル(約五兆四千億円)から半減させた。既に米国とは一九年までの契約を結んでおり、宇宙飛行士一人当たりの訓練、搭乗費用として支払われる約八千百万ドル(約九十億円)は貴重な財源だ。

 バイコヌール基地に代わるロシア自前の打ち上げ基地として、一一年から千八百億ルーブル(約三千四百億円)を投資する極東ボストーチヌイ宇宙基地は、汚職などで大幅に建設が遅れ、一部が未完成。先月二十八日には二回目のロケット打ち上げにも失敗している。

 ロシアの宇宙雑誌編集者のアファナシエフ氏は「ロシアは新技術開発のための資金がほしい。米国にとってもロシアの長期宇宙滞在の経験は有用だ。将来の火星探索を見据えて、宇宙分野での米ロの協力は続くだろう」と話す。

 

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