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【国際】

エルサレム「首都」認定、米が検討 パレスチナ、中東が反発

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 【カイロ=奥田哲平】トランプ米大統領が近くエルサレムをイスラエルの首都と認定するとの報道を受け、パレスチナ自治政府や中東諸国から反発が強まっている。アラブ連盟(二十二カ国・機構)は五日、カイロで緊急会合を開催。アブルゲイト事務局長は「地域全体に悪影響を与える危険な措置だ」と警告した。

 エルサレムはユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地がある。イスラエル側が東西エルサレムを「不可分の首都」とみなすのに対し、パレスチナ側は東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置付ける。国際社会はイスラエルが占領下に置いていると認識し、日本を含む各国はテルアビブに大使館を置く。

 米国の歴代政権も、イスラエルとパレスチナの和平交渉を通じて最終的な帰属を決めるとの立場。トランプ氏が一方的に認定すれば、外交方針の大きな転換を意味する。トランプ氏は今年五月に現職の米大統領として初めて、エルサレム旧市街にあるユダヤ教の聖地「嘆きの壁」を訪問した。

 トランプ氏は大統領就任後、二〇一四年以来中断している和平交渉の再開に意欲を示す。しかし、報道を受けたパレスチナ自治政府のアッバス議長は「首都と認めれば、和平プロセスは崩壊する」と不快感を示した。ガザ地区を実効支配するイスラム主義組織ハマスも「インティファーダ(武装蜂起)を起こす」とけん制した。

 反発はパレスチナにとどまらない。ロイター通信によると、トルコのエルドアン大統領は五日、「イスラム教徒にとってレッドラインだ」と警告し、イスラエルとの外交関係を遮断する可能性も示唆。米国と同盟関係にあるサウジアラビアの国営通信も五日、外務省関係者の話を引用する形で「問題を複雑化する由々しき事態だ」と懸念を表明した。

 一方、イスラエルのリーベルマン国防相は四日、「不公平を正す歴史的なチャンス」と期待感を示した。

◆仏大統領が懸念 米大統領に伝達

 【パリ=竹田佳彦】フランスのマクロン大統領は四日、トランプ米大統領と電話会談し、トランプ氏が一方的にエルサレムをイスラエルの首都と承認することに懸念を伝えた。

 AFP通信によると、マクロン氏は会談で「エルサレムの位置付けは、イスラエルとパレスチナによる交渉の枠組みで解決されるべき問題だ」と指摘。近く、再び協議することで合意した。

<エルサレム> ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の共通の聖地。1キロ四方の壁に囲まれた旧市街には、ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」があり、イスラム教徒には預言者ムハンマドが昇天したとされる「岩のドーム」がある。1947年、国連はパレスチナにユダヤ国家とアラブ国家を樹立する分割決議を採択。エルサレムは国際管理都市となったが、49年の第1次中東戦争で東西に分断支配され、67年にイスラエルが東エルサレムも併合した。

 

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