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【国際】

「エルサレム首都」トランプ氏表明 米、戦略なき政策転換

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 【ワシントン=後藤孝好】トランプ米大統領は六日、エルサレムをイスラエルの首都と認めた上で「米大使館をテルアビブから移転させる準備に着手するよう国務省に指示した」と表明した。中東和平の実現に向けた「新たなアプローチの始まりだ」と強調し、中立的な仲介者を目指した歴代米政権の政策転換に踏み切ったが、具体的な戦略は描けていない。

 パレスチナやイスラム諸国は反発を強め、フランスやドイツも不支持を表明。反米感情の高まりによる中東情勢の不安定化が懸念され、国連安全保障理事会は八日に緊急会合を開く。トランプ氏はホワイトハウスでの演説で「ほかの大統領は選挙戦で首都承認を公約しても実現しなかった。私は今日、実行している」とアピール。「歴代の大統領は、移転の延期が和平交渉を進展させると信じてきたが、全く合意に近づいていない」と政策転換の正当性を主張した。

 「究極のディール(取引)」として仲介に意欲を示す中東和平交渉に関しては「過去の失敗した戦略は繰り返さない」と指摘。「合意を得るために全力を尽くす」と語ったが、イスラエル寄りの立場でどう解決に導くかは示せていない。

 米議会は一九九五年にエルサレムの首都認定と大使館移転を求める法案を可決し、政権は半年ごとの判断を迫られてきた。この時期の表明には和平実現の成算というより、四日に判断の期限を迎え、公約の先送りを非難されたくないという事情があったとみられる。

 過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を最優先課題に掲げるトランプ政権にはジレンマもある。中東の反米感情がIS対策に悪影響を及ぼすことを恐れ、エルサレムにある米総領事館の看板を即座に掛け替え、大使館を移転させる手法は取らなかった。ペンス副大統領を近く中東に派遣、過激派対策などで連携を再確認したい考えだ。

 

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