東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

「ヘイワ」母に教わった 文学賞イシグロ氏 喜び

10日、ストックホルムで開かれたノーベル賞授賞式で、スウェーデンのカール16世グスタフ国王(右)から文学賞のメダルと賞状を受け取るカズオ・イシグロ氏=代表撮影・共同

写真

 【ストックホルム=共同】今年のノーベル賞の授賞式がスウェーデンの首都ストックホルムで十日夕に開かれ、長崎出身の英国人作家カズオ・イシグロ氏(63)に文学賞が授与された。同氏は式の直後に共同通信の取材に応じ「すばらしい栄誉だ。日本の人々、特に私にとってかけがえのない思い出がある長崎の人々と賞を分かち合いたい」と喜びを語った。

 授賞式に続く記念の晩さん会でのスピーチでは、五歳の時に母親から日本語でノーベル賞が「ヘイワ(平和)」促進の賞と教えられたと紹介、それは「私たちの街、長崎が原爆により壊滅したわずか十四年後だった」と語った。同氏の母親は長崎の原爆で被爆した。

 晩さん会には王族や招待客ら約千三百人が出席した。

 授賞式で、イシグロ氏はカール十六世グスタフ国王からメダルと賞状を受け取った。選考主体のスウェーデン・アカデミーのダニウス事務局長は、イシグロ氏が本を書くたびに新たな分野の融合に取り組んだとして「小説の窓は常に開かれてきた。イシグロ氏はそれをさらに広げた」と高く評価した。

 授賞式会場には妻ローナさんや長女ナオミさんも含む千五百人以上が出席。物理学賞の重力波望遠鏡「LIGO」のチームを率いた米国の三氏や、医学生理学賞、化学賞、経済学賞の受賞者にも、それぞれメダルが授与された。

<カズオ・イシグロ氏> 1954年11月、長崎市生まれ。ケント大、イースト・アングリア大大学院で学ぶ。81年に短編小説で作家デビュー。最初の長編「遠い山なみの光」(82年)は原爆投下からの復興を遂げる長崎が舞台。89年の「日の名残(なご)り」は映画化された。「わたしを離さないで」(2005年)も映画になり、日本ではテレビドラマも制作された。 (共同)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報