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【国際】

米は「核なき世界」放棄 日本に大きな役割 米前国務次官補に聞く

ワシントンでインタビューに答えるトーマス・カントリーマン前米国務次官補=共同

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 オバマ米政権で核不拡散政策を担当したトーマス・カントリーマン前国務次官補は、核保有国による軍縮が進展しない現状で核兵器禁止条約は「道義的に重要」と評価。唯一の被爆国日本はより大きな役割を果たせると強調した。 (ワシントン・共同)

 −核禁止条約を推進した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)にノーベル平和賞が授与された。条約の評価は。

 「米国を含む核保有国は徐々に核兵器を減らす漸進的アプローチを主張してきたが、核軍縮が足踏みする中で十分な説得力を示せていない。市民社会は別の道筋が必要だった。条約は道義的に重要な宣言だ」

 「条約署名国を増やすのに躍起になっても軍縮は進まない。条約推進派は核兵器なき安全保障は可能だと核保有国に示す作業が必要。保有国側も条約を敵視するのをやめるべきだ」

 −日本は条約参加を見送り、自ら主導した核廃絶決議でも条約に触れずに批判が噴出した。

 「日本は被爆国であると同時に米国の核の傘に依存している。困難な立場だと理解するが、核兵器の役割を低減し、最終的に全廃する上で条約推進派と核保有国の橋渡し役としての努力は十分とはいえない」

 −核廃絶に向け主導的な役割を果たす上で日本は何ができるか。

 「トランプ政権は北朝鮮に対する『最大限の圧力』を掲げるが、北朝鮮の核の脅威にさらされる日本が対話の重要性に言及する必要がある。二大核大国である米ロ間の核削減交渉への支持を表明し、軍縮の機運を高める努力をしてほしい」

 「日本が推進する核燃料サイクルを再考すべきだ。世界は、プルトニウムを蓄積し続ける現在の政策は核不拡散と矛盾するとみなしている」

 −トランプ政権下の核軍縮をどうみるか。

 「北朝鮮への挑発的対応やイラン核合意の承認拒否などを極めて憂慮している。新たに公表される『核体制の見直し(NPR)』では核兵器の役割重視が盛り込まれ、歴代米政権の軍縮努力は損なわれるだろう」

 「一方で核禁止条約にみられるように核廃絶を追求する人々の声はこれまで以上に強い。トランプ政権が『核なき世界』への指導力発揮を放棄した今だからこそ、日本の役割は重要性を増している」

   ×   ×

 今年一月まで軍縮担当の国務次官補。現在、米シンクタンク「軍備管理協会」の運営を担う。

 

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