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【国際】

大気汚染の北京に青空 「脱石炭」強行 暖房使えず凍傷の子も

北京の天安門広場で12日、青空をバックに記念撮影する観光客ら=秦淳哉撮影

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 【北京=安藤淳】大気汚染に悩まされている北京市で晴天が続いたこともあり、十一月のPM2・5(微小粒子状物質)の平均濃度が過去五年で最低となった。石炭から電気・天然ガスへの「脱石炭」政策が主因だが、強権的な政策推進で、北京に近い地方の学校などでは暖房が使えず、児童が凍傷になるなど市民生活にしわ寄せも出ている。

 市環境保護局によると、毎年、暖房供給の始まりで大気汚染が深刻になる十一月のPM2・5の平均濃度は一立方メートル当たり四六マイクログラムで、前年同月比9・6%の低下。一〜十一月は同五八マイクログラムで、同13・4%減少し、年間目標の六〇マイクログラムを下回った。

 中国メディアによると、雨が降らなかった天候に加え、北京周辺の約七百カ所の村で暖房の燃料を石炭から電気・ガスなどに切り替えたり、大規模公共工事を停止させたりしたことが理由という。北京周辺の二十六都市で汚染原因企業を一斉調査し、処罰したことも貢献した。

 北京市トップの蔡奇(さいき)共産党委員会書記は「首都の大気汚染は国家のイメージ、人民の健康に関わる」と指摘し、「PM2・5を一マイクログラムずつでも減らすように」と命じていた。

 ただ、政府の強権的な指示を受け、寒くなっても石炭による暖房が使えないケースが続出。中国紙・中国青年報によると、北京に近い河北省曲陽県の多くの小学校では、石炭ストーブを撤去したものの、電気ストーブの設置が遅れているという。児童が太陽のあたる運動場の中庭に座り、椅子の上に教科書を置いて授業を受け、凍傷になった子もいたとされる。

 政府は石炭燃料の暖房を一時的に認める緊急通知を出す一方、原因調査と関係者の責任追及を開始するなど混乱。天然ガスの供給量が不足し、価格が高騰して市民生活を直撃している。

 

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