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【国際】

ハマス 抗議活動沈静図る? パレスチナ衝突拡大で4人死亡

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 【カイロ=奥田哲平】米国がエルサレムをイスラエルの首都と認定してから二度目の金曜礼拝を迎えた十五日、パレスチナ自治区で抗議活動が活発化し、パレスチナ人男性四人が治安部隊との衝突などで死亡した。トランプ米大統領の認定宣言以降、デモや空爆での死者は計八人になった。一方で、ガザ地区を実効支配するイスラム主義組織ハマスは事態を拡大させない方針とみられ、抗議活動がインティファーダ(反イスラエル闘争)に発展する可能性は低そうだ。

 ロイター通信によると、ガザ地区のイスラエル境界近くで起きた衝突で二人が死亡し、うち一人は車いすに乗って抗議していた。エルサレム北部でも一人が死亡。ヨルダン川西岸ラマラ近郊では、警察官をナイフで襲った男が射殺された。二十一日にペンス米副大統領がイスラエルを訪問する予定で、抗議活動が再び激しくなる可能性がある。

 しかし、無差別の自爆テロが頻発し、イスラエル軍が軍事侵攻した過去の武力衝突のような事態に陥る可能性は低い。背景にはハマスの戦略転換がある。

 ハマスはイスラエルによる占領への抵抗運動体として設立され、二〇〇七年にガザを制圧。その後もイスラエル軍の三回の侵攻で計三千人以上が亡くなった。

 イスラエルは現在、ガザを経済封鎖し、住民は食料や電力不足に苦しむ。厭戦(えんせん)気分が広がり、ハマスへの支持にも陰りが見える。バス運転手の男性(30)は「ガザはすでに疲弊し、これ以上の戦争は望まない。影響を受けるのは金や食料を持つハマスではなく、普通の市民だ」と話す。

 ハマスの指導者ハニヤ氏は抗議活動の継続を呼びかけているが、ハマス幹部のハリル・リラ氏は本紙に「イスラエルと対抗する十分な力を持つが、今は和解の道を選ぶ」と語り、沈静化を図る考えを示唆する。

 ハマスと自治政府主流派ファタハは十月、分裂状態を解消し、統一政府を樹立する合意を結んだ。ガザ在住の政治評論家ハニ・ハビブ氏は「ハマスは政治運動に転換して国際社会に受け入れられたい。原点である抵抗運動の姿勢を保ちつつ、エスカレートはさせない」とみる。

 

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