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【国際】

トランプ政権が初の指針 安保戦略でも「米国第一」推進

 【ワシントン=石川智規】トランプ米大統領は十八日、政権初となる外交・安全保障の指針「国家安全保障戦略」を正式に発表した。自国の利益と繁栄に向け「米国第一」を推進すると強調。中国とロシアを「修正主義勢力」と警戒した上で、軍事予算拡大で米軍を再建、強い米国を目指すことが「米国民と世界の利益になる」と訴えた。

 トランプ氏は同戦略を発表した上で演説し、「われわれは新たな競争の時代にある」と指摘。「新たな戦略を基に、米国はこのゲームに勝利する」と述べた。

 同戦略をまとめた文書では、中国が「インド太平洋地域で米国にとって代わろうとしている」と警戒感を表明。ロシアは近隣諸国への影響力を強め「大国としての地位回復を目指している」とけん制した。

 さらに、両国が「米国の権力や影響力、利益に挑み、米国の安全と繁栄を侵食しようとしている」として修正主義国家と批判した半面、「これらの国と米国の利益を守るため、関係を築いていく」とも記述した。

 また核・ミサイル開発を進める北朝鮮とイランを「ならず者国家」と非難、核の脅威から米国や同盟国を守るため、軍備の近代化を進める姿勢を示した。

 さらに米国本土の防衛のため、移民システム改革を行い国境管理の強化を進めると明記。米国の経済発展に向けては「自由で公正、互恵的な経済関係を追求する」と繰り返した。

 日本については、インド太平洋地域における「強いリーダーシップと重要な同盟国としての役割を歓迎する」とし、日米と豪州、インドを合わせた「四国関係を強化する」とした。

 同戦略は、(1)米国民と国土の防衛(2)米国の繁栄促進(3)力による平和の堅持(4)米国の影響力拡大−の四本柱で構成。インド太平洋(北東アジア含む)や欧州、中東など地域別の課題にも触れた。

◆軍拡競争の懸念強まる

 【ワシントン=後藤孝好】トランプ米大統領が十八日に公表した外交・安全保障の包括的な指針「国家安全保障戦略」では、世界一の軍事力に基づく「力による平和」を追求する姿勢を鮮明にした。経済的軍事的に台頭する中国や、核・ミサイル開発で挑発行為を繰り返す北朝鮮などに「力」で対抗する構えだが、軍拡競争や軍事衝突という不測の事態を招きかねない。

 念頭にあるのは一九八〇年代の共和党のレーガン元大統領だ。冷戦期に軍備増強で旧ソ連を崩壊に追い込んだ「強い米国」の再興を目指すトランプ氏は、戦略で「大国競争が再び戻ってきた」と指摘。普遍的な価値観などソフトパワーの外交を重視したオバマ前大統領の軍縮路線を転換した。

 トランプ氏は演説で過去の歴代米政権について「裕福な同盟国に公平な負担を要求せず、米軍や米国民に不公平な重荷を背負わせてきた」と強調。軍備増強の負担を日本など同盟国にも肩代わりさせる方針で、自衛隊のさらなる役割拡大を迫られる可能性も高い。

 「経済の安全保障は国家の安全保障」(トランプ氏)として、戦略では貿易問題にも言及。「自由、公正、互恵的な経済関係」を求めると明記し、貿易赤字の削減で自国の利益を最優先する「米国第一」の公約の実現にもこだわった。

 

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