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【国際】

中間層 恩恵薄く 「トランプ減税」成立へ

11月29日、米ミズーリ州で税制改革の実現を訴えるトランプ米大統領=ロイター・共同

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 【ワシントン=石川智規】トランプ米大統領が政権公約に掲げた法人減税などの税制改革法案は二十日、議会上院で可決した。下院での可決を経て週内にも成立する見通し。トランプ氏にとって看板公約の実現は初となる。政権は来秋の中間選挙への追い風としたい考えだが、中間層への恩恵が薄い減税への国民支持は高くなく、財政赤字が膨らむなどの課題も抱える。

 トランプ氏は昨年の大統領選で、医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃や、不法移民対策としてメキシコ国境沿いの「壁建設」などを看板公約に掲げた。だが政権発足からまもなく一年、いずれも議会や司法からの制約を受け、実現には至らない。

 同様に大型公約と位置付けられた法人税や所得税などの大型減税は、トランプ氏が十八日に発表した国家安全保障戦略でも実現が明記されている。「力による平和」の実現に向けた軍事力増強と、「米国経済再建」の具体策として、大型減税の必要性がうたわれた。

 トランプ氏は「減税を米国民のクリスマスプレゼントに」と何度も強調。上下両院で可決されれば、二十日にも署名して法案を成立させる構えだ。

 しかし、減税規模は今後十年間で約一兆五千億ドル(約百七十兆円)。減税分だけ財政赤字も膨張する。米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)をはじめ、あらゆる機関が将来の財政難を懸念する。

 さらに法人減税が恒久措置なのに対し、個人所得税の減税は二〇二五年までの時限措置。富裕層ほど減税効果が高いとの試算もあり、米国民全体の支持は高くない。

 CNNテレビが十九日発表した世論調査では、税制改革法案への賛成33%に対し、反対が55%と上回った。トランプ氏や法案可決を支えた与党共和党は、減税の成果を中間選挙の結果につなげたい考えだが、思惑通りに進むかは見通し難い。

 

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