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【国際】

ノルウェー議会迫る 核禁止条約加盟 平和賞お膝元で来月決議へ

11日、オスロの政府庁舎での会談後、記者会見するソルベルグ首相(右)とICANのフィン事務局長=沢田千秋撮影

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 ノルウェーで、史上初めて核兵器を非合法化する核兵器禁止条約に加盟しない政府に対し、立法府が再考を迫っている。同国議会で来月半ば、政府に条約加盟の可能性を検討するよう求める決議案が可決する見通しとなり、禁止条約採択に尽力し、ノーベル平和賞を受賞した非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))」は、同様の動きが未加盟の国々に広まることを期待している。 (ロンドン・沢田千秋)

 条約を署名するのは政府だが、批准するには、国民の代表である議会の承認が必要であるなど、条約の加盟・未加盟について、議会の役割は重い。

 ノルウェーは二十九カ国で構成する北大西洋条約機構(NATO)の原加盟国。少数与党のソルベルグ連立政権が「核の傘」を理由に条約に加盟しないことに野党は強く反発している。

 ICANの川崎哲(あきら)国際運営委員によると、トマッソン議長は平和賞授賞式翌日の十一日、「政府には政府の立場があるが、議会は民の声を聞き、民主的議論をする役割がある。良識の府として人々の意見を聞く」と語っていたという。

 決議案はその八日後、外交防衛委員会で野党の賛成多数により可決された。来年一月半ばの本会議で野党五党の賛成多数により可決する見通しだ。政府が条約の内容を精査し、現行の国防計画や軍縮・不拡散関連の条約にどんな影響を与えるか、専門家や市民団体の意見を反映させて検証するよう求めている。

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 決議案に賛成した左派社会党のバースタッド議員は取材に「ノルウェーが禁止条約に署名できるかの可能性を探るもので、採決結果をもとに政府に署名しないという方針の再考を促したい」と話した。

 禁止条約の発効には五十カ国の批准が必要だが、現在まで批准したのはガイアナ、バチカン、タイの三カ国にとどまる。

 ICANが条約に実効性を持たせ、加盟国を増やす「突破口」として注目するのが、ノルウェーなどの核保有国の「核の傘」に頼る国々だ。

 禁止条約には、核兵器の使用、使用の威嚇などを「援助、奨励または勧誘しない」と明記されている。

 川崎氏は、条文には広く解釈できる余地があり「この一点でのみ合意できれば、日米、米韓、米豪安全保障条約やNATO加盟国の立場を保持したまま条約に参加できる」と強調。

 NATOは二〇一〇年に核廃絶を目指す方針を打ち出しており「同盟関係を維持したまま、核兵器の使用を手助けしたり、勧めたりはしないという姿勢を示すことはできる」と指摘する。

 NATO加盟国では、イタリアでも、加盟国が負う義務と矛盾せずに条約に参加できるかどうか、議会が政府に精査するよう求める動議を可決している。

 川崎氏は「ノルウェーや(自国の軍備を持たない)アイスランドが条約に参加すれば、米国の核抑止の提供を受けるNATOにくさびを打ち込める」と期待する。

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