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【国際】

クルドの分断、深刻 「独立への期待が失望に」デモ収束せず

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 【カイロ=奥田哲平】イラク北部クルド人自治区で、自治政府に対する住民の抗議デモが収束の気配を見せない。背景にあるのは、公務員への給与遅配や既存政治への不信感だ。独立国家樹立への民意を高めた九月の住民投票から一転、自治区内の分断が深刻になっている。

 クルド系メディア「ルダウ」などによると、十八日からスレイマニヤ県を中心に始まったデモは、行政庁舎や政党事務所が放火されるなど暴徒化。治安部隊との衝突で二人が死亡し、三百人以上が負傷。二百人以上が拘束された。二十四日には同県の一部でゼネストが行われた。

 死傷者が出た自治区北部ラニヤ町にあるラパリン大学のシャフワン・ラスール教授は「独立への期待が失望に変わり、積み重なった政治への不満が怒りとなって噴き出した」と語る。自治政府は九月、イラクからの分離独立の是非を問う住民投票を実施。中央政府は経済制裁を科した上で、十月には武力行使に踏み切った。

 実効支配していた自治区外の油田地帯キルクークを失ったことで自治政府の歳入は半減し、経済は停滞している。長年自治区を牛耳ってきたクルド民主党(KDP)とクルド愛国同盟(PUK)の二大政党の「腐敗体質」への批判も強く、二十日に最大野党「変革」とイスラム勢力が連立政権を離脱すると表明した。

 独立運動の失敗後に退陣したバルザニ前議長のおい、ネチルバン首相は「政治ゲームだ」と野党側の動きを批判。自治議会に三カ月以内に総選挙の期日を決めるよう求めており、主導権争いを巡る内部対立が激しくなりそうだ。

 

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