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【国際】

米朝対立の構図 酷似 圧力を強化 核開発推進 

2013年3月31日、朝鮮労働党中央委員会総会で演説する金正恩氏=朝鮮中央通信・共同

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 【北京=城内康伸】北朝鮮の治安機関・人民保安省の地方組織が二〇一三年三月に作成した極秘文書「準戦時作戦計画」は、北朝鮮の軍だけでなく、各組織が緊張状態だったことをうかがわせる。核・ミサイル開発にまい進する北朝鮮と、軍事力行使を選択肢に入れた米国が激しく対立、緊迫する現在の朝鮮半島情勢は、四年前と酷似している。

 「作戦計画」が作成された当時は、米韓合同軍事演習の最中。同年二月に三回目の核実験を行った北朝鮮は、米韓演習や国連安全保障理事会の制裁強化決議に猛反発していた。

 朝鮮労働党機関紙・労働新聞は同年三月六日、軍最高司令部の「朝鮮戦争休戦協定の白紙化」声明を一面トップで報じ、「米国が核兵器を振り回せば、ワシントンまで火の海にする」と威嚇する軍幹部の声を伝えていた。

 北朝鮮は今年、弾道ミサイル計二十発を発射。九月には過去最大級で六回目の核実験を強行し、十一月二十九日には、米本土全域を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験「成功」を受け、金正恩(キムジョンウン)党委員長は「核戦力の完成」を宣言した。米国は北朝鮮への圧力を最大化することで、核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮の政策を転換させたい考え。だが、北朝鮮の態度に変化はみられず、「戦争は望まないが、避けようとも思わない」(労働新聞)と警告する。

 準戦時作戦計画や、別の内部文書「準戦時事業計画」は最重要任務に「正恩同志の決死擁護」を掲げた。「反革命に転落し得る者」の把握指示も記し、一連の文書は、北朝鮮が国内の引き締めを図っていたことを示している。

 北朝鮮は今月、党の末端組織の幹部を集めた「党細胞委員長大会」を開催。四年前と同様の狙いだ。韓国情報機関・国家情報院は八月下旬、北朝鮮の秘密警察・国家保衛省が体制に不満を持つ者を探し出し、平壌から追放していると明らかにしている。

 韓国の文在寅大統領は十九日、来年二月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪に合わせた緊張緩和措置として、来春の米韓演習延期を検討していると明らかにした。しかし、北朝鮮の出方は不透明だ。

 

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