東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

イランで異例デモ次々 最高指導者を公然批判 物価高や紛争介入に不満

 【カイロ=奥田哲平】ロイター通信によると、イラン各地で二十八、二十九の両日、物価高などに抗議する街頭デモが相次ぎ、五十人以上が拘束された。中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、デモ参加者が「独裁者に死を」と叫びつつ、最高指導者ハメネイ師の写った横断幕を燃やす様子も放映。治安機関の監視が厳格なイランで、イスラム革命によってできた政教一致の統治体制の象徴である最高指導者が公然と批判されるのは、極めて異例だ。

 デモは二十八日、イラン北東部を中心に始まり、第二の都市マシャドでは五十二人が拘束された。二十九日には首都テヘランで五十人規模のデモが発生。三百人規模のデモが起きた西部ケルマンシャーでは、治安部隊が放水や催涙弾で解散させた。イスラム教シーア派の聖地コムでは、「政治犯を釈放せよ」「イスラム指導者は神のまねをしている」との訴えもあった。

 一方で「レバノンや(パレスチナ自治区)ガザではなく、私の人生はイランのためにある」などと地域紛争への介入主義に反対する声や、「ロウハニに死を」と行政府を率いる穏健派のロウハニ大統領への非難も聞かれたという。改革派から保守強硬派までのさまざまな立場のスローガンが唱えられたもようだ。

 ただ、ジャハンギリ第一副大統領は「(主に)経済問題を口実にしているものの、背後には何かがある」として、最高指導者に忠実でロウハニ氏と対立する保守強硬派がロウハニ政権に揺さぶりをかけるため同時多発的デモに関与した、との見方を示した。

 イランでは、二〇〇九年六月に反米保守強硬派のアハマディネジャド氏が大統領選で再選された直後、選挙の不正に抗議するデモが起き、テヘランでは、一九七九年のイスラム革命以来の最大規模となる数十万人が参加。治安当局の弾圧により多数の死者が出た。

 アハマディネジャド氏の後を継いだロウハニ氏は、一五年に欧米など六カ国との間で、経済制裁解除と引き換えに核開発を制限することで合意。原油輸出の回復など経済に復調の兆しは見られるものの、一七年の失業率は12・4%と高止まりしている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】