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【国際】

パレスチナ、デモ下火 自治政府の支援欠く

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 【カイロ=奥田哲平】トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めると表明してから六日で一カ月。反発したパレスチナ人の抗議デモはインティファーダ(反イスラエル闘争)に発展する恐れがあったが、パレスチナ自治政府の組織的な支援を欠き、下火になりつつある。一方、イスラエル側は米国の決定を追い風に、占領政策の既成事実化を進めている。

 先月六日のトランプ氏の「首都認定」後、イスラエル治安部隊との衝突などでパレスチナ側は十四人が死亡。小規模なデモは続くものの、当初の勢いは失われた。背景に自治政府への不信感がある。

 デモを主導する活動家の男性は「自治政府の指導部から具体的な指示や支援はない。彼らはデモに関与していると国際社会に見なされることを恐れている」と不満げだ。パレスチナ政策調査研究センターの世論調査では、約70%がアッバス議長の辞任を求める。

 自治政府幹部によると、アッバス氏は今月、欧州連合(EU)を訪問し、新たな和平交渉の枠組みづくりを目指す。ただ、イスラエル側が米国抜きの交渉に応じる可能性は低い。表向きは米国の調停役を拒否する姿勢を貫くものの、イスラエル側との治安協力の連絡体制は維持するなど対話の余地も残している。

 東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置付けるパレスチナ側に対し、東西エルサレムを「不可分の首都」と位置付けるイスラエルは、着々と布石を打つ。ロイター通信によると、イスラエル国会は二日、エルサレム割譲を認めるには過半数の賛成が必要だった法律を修正し、三分の二に引き上げた。

 仮に和平交渉が実現して「二国家共存」に合意しても、エルサレムの一部を明け渡すのを困難にした形だ。極右政党「ユダヤの家」のベネット教育相は「エルサレムの統一を確実なものにした」と自賛した。

 トランプ氏が就任した昨年一月から十月までに、イスラエルはヨルダン川西岸の入植地で約六千七百戸の建設計画を承認。二〇一六年の二・五倍、一五年の三・四倍に上り、事実上の領土拡大を加速させている。

 

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