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【国際】

ドイツ、手探りの大連立交渉開始 長期化なら政権影響力に陰り

7日、ベルリンで、社会民主党(SPD)のシュルツ党首(右)と握手するドイツのメルケル首相=ロイター・共同

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 【ベルリン=垣見洋樹】昨年九月の総選挙以来、新政権が樹立できないドイツで七日、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と第二党の社会民主党(SPD)が政権樹立の可否を探る予備交渉を始めた。メルケル氏は総選挙後、小政党二党との連立協議に失敗。SPDとの交渉が長引き、暫定政権がさらに続けばメルケル氏の影響力低下は必至で、首相四選継続への懐疑論も高まりそうだ。

 「早く安定政権を成立させる使命を果たしたい」。メルケル氏は年末、恒例の国民向けのあいさつで、SPDとの交渉の早期妥結に向けた強い意欲を表した。両党幹部らが会談した三日、SPDのシュルツ党首も「われわれは楽観的だ」と述べた。しかし、ドイツのテレビ局「n−tv」は「実情とは違うようだ」と懐疑的な見方を示した。

 重要争点の難民政策をめぐって交渉前から両党の亀裂が早くも表面化。CDU・CSUは中東などからドイツに渡った難民による祖国の家族呼び寄せ制限を主張。SPD幹部は難民に寛容な立場から「交渉をフルスピードで壁にぶつけて壊そうとしている」と批判した。

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 ドイツメディアは連立継続を前提とした本格交渉開始に合意する見通しと伝えるが、SPDは二十一日の臨時党大会で本交渉の是非を党員に諮る。議決権を持つ党員の間では連立継続への懐疑論が根強く、幹部の合意が否決される可能性も排除できない。

 SPDでは、先に主張した最低賃金導入や同性婚合法化などの政策がメルケル政権の実績として取り込まれた不満が党内に残る。そのため今回は、政策ごとに討議や採決を行う「部分的連立」の構想も出ている。

 政権発足がさらに長引けば、欧州連合(EU)の政策に関し、フランスのマクロン大統領が主導する可能性があり、債務に苦しむ南欧諸国の救済などドイツが望まない政策が推進される恐れすら指摘される。総選挙後に政権が未成立の期間は百日を超え、ドイツでは戦後最長となっている。

 

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