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【国際】

米、南北接近に期待と疑念

 【ワシントン=後藤孝好】トランプ米大統領は十日の記者会見で、韓国と北朝鮮による南北高官会談について「いま(南北で)多くの良い対話が行われている」と述べ、朝鮮半島情勢の緊張緩和に期待感を示した。ただ、平昌(ピョンチャン)冬季五輪を控える韓国が南北の関係改善に前のめりになり、圧力を強化する国際的な包囲網の足並みを乱すのではないかとの疑念も強い。

 また、トランプ氏は閣議で「うまくいけば、米国だけでなく、世界にとっての成功につながる。これから数週間か、数カ月間に何が起きるか注視する」と発言。北朝鮮を対話のテーブルに着かせたのは、自らが主導した強硬路線の成果だとアピールした。

 ホワイトハウスは、トランプ氏と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が十日の電話協議で「最大限の圧力をかけ続ける」ことを確認したと発表。一方の韓国大統領府は、トランプ氏が文氏に、南北対話の間の軍事行動を否定する発言をしたと融和的な内容を強調しており、対北朝鮮政策をめぐる米韓の姿勢の違いが表面化している。

 米国は南北接近により、国際的な包囲網が緩む事態を警戒。北朝鮮が核・ミサイル放棄を拒否する中での南北会談が、米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備への時間稼ぎに使われることへの危機感もある。

 米国務省は声明で、北朝鮮の五輪参加が国連安全保障理事会の制裁決議に違反しないよう「韓国政府と緊密に連携する」と強調。北朝鮮選手団の滞在費負担など安易な財政支援をしないよう韓国にくぎを刺す。

 北朝鮮が中止を求める米韓合同軍事演習も、三月の平昌パラリンピックの閉幕後に実施する方針。ホワイトハウスによると、ペンス副大統領は平昌五輪開会式に出席するため訪韓し、日本も訪問して朝鮮半島情勢について意見交換する。

◆中韓、核問題解決へ連携強化

 【ソウル=上野実輝彦】文在寅(ムンジェイン)大統領は十一日、中国の習近平(しゅうきんぺい)国家主席と電話で三十分ほど協議した。習氏は、韓国と北朝鮮の高官会談を通じた南北関係の改善を歓迎し、文氏を支持すると表明した。韓国大統領府が発表した。

 大統領府によると、文氏は九日の南北高官会談の結果を習氏に説明し、中国政府の支援に謝意を伝えた。両氏は、南北の対話を核問題の解決や朝鮮半島の平和定着につなげるため中韓の意思疎通と協力関係を強化することで一致した。

 習氏は、南北関係の改善と朝鮮半島の非核化を同時に進める文氏の方針についても支持を表明した。また文氏は、二月から始まる平昌(ピョンチャン)冬季五輪に関連し、二〇二二年の冬季五輪を開催する中国の習氏に対し、閉会式に出席するよう要請。習氏は「(五輪の)引き継ぎがうまくいくよう努力したい」と述べるにとどめた。

◆北、米韓演習「中止を」

 【北京=城内康伸】十一日付の北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は、韓国に対し「朝鮮半島の緊張緩和と平和を願うなら、外部勢力とともに繰り広げる全ての軍事的行動を中止すべきだ」と訴え、米国との合同軍事演習の中止を重ねて要求した。米韓は合同軍事演習について、二〜三月にかけて行われる平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックの閉幕後に延期する方針を表明しているが、北朝鮮はあくまで全面中止を求める立場を明らかにした。

 労働新聞は論評で「外部勢力との大規模な合同軍事演習は、北南間の軍事的緊張を激化させ、朝鮮半島情勢を予測できない危険な局面へと追い詰める要因」と指摘。「南朝鮮(韓国)当局は、米国の無謀な侵略戦争策動に加担するのではなく、緊張緩和のため、われわれの誠意ある努力に肯定的に応じるべきだ」と主張した。

 金正恩(キムジョンウン)労働党委員長は今月一日の演説で、「外部勢力との一切の核戦争演習を中止し、米国の核装備と侵略兵力を引き入れる一切の行為をやめるべきだ」と強調し、南北関係改善を求める韓国を揺さぶった。

 一方、マティス米国防長官は四日、「パラリンピック後に始まる」と語っている。

 

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