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【国際】

米、イラン制裁 解除継続 核合意 修正なければ「離脱」

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 【ワシントン=石川智規】トランプ米大統領は十二日、イランが米欧など六カ国と結んだ核合意に基づき、イラン制裁の解除を継続すると発表した。半面、トランプ氏は核合意の継続は「これが最後の機会」と強調。合意に参加する欧州各国や米議会に対し、「合意内容の修正ができなければ、即座に核合意から離脱する」と警告した。

 トランプ氏は声明で、核合意を主導したオバマ前大統領を「核開発を進めるイランへの強い制裁を取り払った」と批判。「私は欧州各国に核合意の恐ろしい欠陥の修正を呼び掛ける」と述べ、合意内容の見直しを訴えた。

 具体的には、イランが核合意を順守していないと判断した際、直ちに制裁を再開できるよう修正することや、核兵器開発を行えないようウラン濃縮の無期限停止や弾道ミサイル開発の制限を加えることなどを列挙。同様の措置が行えるよう法改正することを求めた。

 米大統領は国内法に基づき、核合意に関する制裁解除が国益にかなうかを百二十日ごとに判断、議会に報告することが定められている。十二日はその期限だった。

 ホワイトハウス高官によると、トランプ氏は次の百二十日間で欧州と再交渉などを行い、対イラン制裁の再発動を可能とする条件の拡大を図りたい考え。

 一方、米財務省は十二日、核開発に関する制裁とは別に、イランでの人権侵害や弾道ミサイル開発に関わったとして、計十四の個人・団体を新たな制裁対象に加え、米国内の資産を凍結した。

 追加制裁では、イラン国内の反政府デモを弾圧する人権侵害を行ったとして、司法府トップのサデク・ラリジャニ代表らのほか、ミサイル開発での技術支援や資金供与に関与したとして、中国を拠点にする団体も制裁対象とした。

◆イラン外相「再交渉 余地ない」

 【テヘラン=共同】イランのザリフ外相は十二日、核合意の見直しを強く要求したトランプ米大統領の声明を受け、ツイッターで「核合意に再交渉の余地はない」と反論、トランプ氏は悪意をもって核合意に違反していると強く非難した。

 欧米との対話外交を推進してきたイランの穏健派ロウハニ政権は、制裁解除で外資を誘致し、低迷していた国内経済を再建する筋書きを描いていた。しかし敵意を鮮明にするトランプ政権の発足後、外国企業は核合意の行方を懸念して萎縮気味で、いら立ちを強めている。

 ザリフ氏はトランプ氏の声明を「多国間の枠組みを台無しにしようとする自暴自棄の企てだ」と酷評。当事国が一方的な行動を控えるなどと定めた核合意の条項にも反すると主張し「米国はうんざりするような主張を繰り返すよりも、イランのように核合意を完全に順守しなければならない」と訴えた。

<イラン核合意> 秘密裏の核開発計画が発覚したイランと、核兵器保有阻止を目指す米英仏中ロ(国連安全保障理事会常任理事国)にドイツを加えた6カ国と欧州連合(EU)が、2015年7月に結んだ合意。イランが核開発の大幅制限を受け入れたことで米欧の制裁が解除され、イランは原油や天然ガスの輸出などが可能になった。国際原子力機関(IAEA)は17年11月、イランが合意を順守しているとの報告書をまとめたが、トランプ米大統領はイランの弾道ミサイル開発などを踏まえ、合意に「深刻な欠陥」があると強い不満を示している。 (共同)

 

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