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【国際】

黄前軍総政治局長、復権も 北関係者指摘「思想教育受けている」

平壌で2016年5月、朝鮮労働党大会開催を祝うパレードを観覧する金正恩党委員長(右)と黄炳瑞氏=共同

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 【北京=城内康伸】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の元側近で、昨年十月に更迭された黄炳瑞(ファンビョンソ)前軍総政治局長が、平壌市内の施設で六カ月程度の思想教育を受けている、と北朝鮮関係者が明らかにした。黄氏について権力内部では依然として肯定的評価があり、複数の関係者は「早晩、復権する可能性がある」との見方を示している。

 関係者によると、黄氏は昨年十月、元帥に次ぐ次帥から大幅に降格された。正恩氏の最側近、崔竜海(チェリョンヘ)党副委員長の主導で党組織指導部が総政治局に対し、大規模な「検閲」(調査)を行った結果、軍幹部らがわいろを使って退役後の地位や待遇を巡り便宜を図ってもらう不正行為が横行していた事実が分かり、責任を問われたとされる。

 降格の背景には、黄氏と崔氏の権力争いもあったという。

 ただ、黄氏を誠実で清廉な人物だとする評価が周辺には根強いとされ、関係者は「大幅な降格処分に遭ったにもかかわらず、黄氏には補佐官が同行している」と指摘する。

 補佐官の配置が事実とすれば、正恩氏の黄氏に対する信任がなお残っていることを強く示唆するものだ。

 さらに、昨年末に正恩氏が幹部を集めて開いた宴会には黄氏も出席し、正恩氏が黄氏の功労にねぎらいの言葉をかけていた、との情報もある。

 韓国情報機関・国家情報院は昨年十一月二十日の国会で、黄氏が処罰されたとの情報がある、と報告していた。

◆過去にも更迭→再登用の例

 【北京=城内康伸】北朝鮮の金正恩体制では、要職に就いている側近らが一度更迭された後に復権するケースが過去にもあった。

 特定の人物への権力集中を回避すると同時に、復権の余地を残し、幹部のさらなる忠誠心を引き出そうとする正恩氏の統治スタイルが反映しているとみられる。

 正恩氏は独裁体制を脅かす勢力の台頭を過剰に恐れてきた。最高指導者に対する背任を理由に、高官を次々に粛清。二〇一三年末には、ナンバー2とみられていた叔父の張成沢(チャンソンテク)国防副委員長を、クーデターを画策したとして処刑した。

 韓国の情報機関・国家情報院や北朝鮮関係者によると、北朝鮮の核・ミサイル開発により国際的圧力が強まる中で、正恩氏は「非常時ほど忠臣か逆臣かを区別できる」として、幹部らの監視強化を指示。幹部同士の対立関係も利用して、粛清を再開したとされる。

 一方で、人事面での「ムチ」と「アメ」を併用することを人心掌握に利用しているもようだ。

 一五年十一月に水力発電所の事故の責任などを問われ、農場に追放された崔竜海党副委員長(当時は党書記)は翌年一月に復権。党政治局常務委員に上り詰めた。

 昨年十月に処罰を受けて降格されたとされる黄炳瑞前軍総政治局長について、北朝鮮メディアは同月十三日を最後に動静を伝えていないが、今後、メディアで名前が紹介され、復権が確認される可能性がある。

 

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