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【国際】

北不正輸出事件の構図判明 治安当局傘下が終点

 【北京=城内康伸】東京都港区の環境設備関連会社が、シンガポール経由で北朝鮮に食品などを不正輸出した事件で、最終仕向け先は、北朝鮮の治安機関・人民保安省傘下の企業だったことが、北朝鮮消息筋や関係者の話で分かった。日本側との商談は、この企業が中国遼寧省丹東に拠点を置く支社が行っていたことも判明。物資の第三国向けを装い、実際の仕向け先を隠す制裁逃れの具体的な構図が明らかになった。

 京都府警などの合同捜査本部は昨年十二月、環境設備関連会社「エム・クリエイト」が二〇一四年六月三十日、経済産業相の承認を受けずに食品など約千五百箱(輸出申告価格約七百十六万円)を、横浜港からシンガポールに拠点を置く北朝鮮工作員が運営する企業を経由させ、遼寧省大連に転送の上、北朝鮮に送ったとして摘発した。

 消息筋などによると、最終仕向け先は、人民保安省傘下の貿易会社「朝鮮緑山(ロクサン)貿易総会社」が出資する平壌所在の「セヒマン合作会社」。親会社の「緑山」社は、経産省が核・ミサイル開発関連で、輸出先として懸念を示す外国ユーザーリストに名前が載る。

 関係者によると、「セヒマン」は不正輸出に先立つ一四年春、丹東の支社「朝鮮新希望合作会社丹東代表処」を通じ、エム社の貿易コンサルタントを務めていた韓国籍の姜正元容疑者=四日に再逮捕=と電子メールなどで、注文のやりとりを行っていた。

 姜容疑者の兄は帰還事業で日本から北朝鮮に渡った人物で、セヒマン代表の夫とされる。こうした関係から、姜容疑者は取引で重要な役割を果たしていたとみられる。さらに、事件で逮捕されたエム社社員が同年七月、丹東支社に日用品を直接郵送したこともあった。

 本紙は、登記されたセヒマン丹東支社の住所を訪ねたが、玄関のインターホン越しに「分からない」との声が聞こえた。郵送した取材要請の書簡は「該当先なし」で届かなかった。関係者は「(支社長は)平壌に帰っており、いつ中国に戻るかは不明」と話した。

<エム・クリエイト不正輸出事件> シンガポール経由で北朝鮮に食料品などを不正輸出したとして、京都府警や神奈川県警などの合同捜査本部が昨年12月14日、外為法違反(無承認輸出)容疑で、エム・クリエイト代表取締役の谷内田譲(やちた・ゆずる)容疑者ら男3人を逮捕。京都地検が3人を処分保留とした今月4日、捜査本部は、食品など約1450万円相当を2013年12月に不正輸出した疑いで再逮捕した。日本政府は核実験などへの制裁で、北朝鮮への輸出を全面禁止にしている。

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