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【国際】

<揺れる超大国 トランプ米政権1年> (上)外交・安保

 米ホワイトハウスの寝室で、マクドナルドのハンバーガーを頬張りながら、お気に入りの保守系FOXニュースのテレビ番組を眺めて、ツイッターに思いをぶちまける−。政府高官の米メディアへの証言から浮かび上がるトランプ大統領の「つぶやき外交」の姿だ。

 トランプ氏は十八日にも、公約である国境の壁建設について「世界で最も危険なメキシコから大量のドラッグを流入させないためには壁が必要だ」などと投稿。建設費は対米貿易黒字を抱えるメキシコ政府が支払うと勝手に決め付けた。

 トランプ氏のツイッターには、テレビを見るなどして感じた怒りや喜び、気に入らない相手への攻撃があふれる。退役海兵隊大将のケリー大統領首席補佐官は、ホワイトハウスに軍隊式の規律を取り入れ、ツイッターも管理しようとした。だが、型破りな言動は止められず、就任から一年で「つぶやき」は約二千五百回にも上った。

 書き込みは感情に任せたブラフとは限らない。今年最初の投稿で「パキスタンはテロリストたちの隠れ家になっている。もうたくさんだ!」と憤った数日後、国務省が援助凍結を発表。エルサレムをイスラエルの首都と一方的に認定したことに反発するパレスチナにも怒りを示した後、実際に国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出金の一部を凍結した。

 本来なら大統領をいさめるはずのティラーソン国務長官は進退問題がくすぶり、外交戦略の司令塔の役割を果たせていない。米紙ワシントン・ポストによると、上院の承認が必要な主要ポスト六百三十三のうち、承認済みは十九日時点で二百四十一にとどまる。国務省を含めて政府高官の人材難が続き、国際社会での孤立や対立をいとわない米国第一の取引(ディール)外交がまかり通っている。

 北朝鮮の核・ミサイル問題では、米本土を射程に収める核兵器搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発が進み、米国民はこれまで以上に危機感を募らせる。強大な軍事力による「力による平和」を信奉するトランプ氏は最近、限定的な先制攻撃に関心を示していると米メディアに報じられた。

 年明け早々、「北朝鮮の指導者は『核のボタンが机の上にある』と言っていた。私が持っている核のボタンの方がずっと大きくて強力だと誰か彼に教えてやってくれないか」と投稿し、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を挑発。北朝鮮との駆け引きをトランプのポーカーに例えるトランプ氏は十日の閣議で思わず本音を漏らした。「この先どうなるかは、誰にも分からない」 (ワシントン・後藤孝好)

 ◇ 

 トランプ米大統領が就任して一年。国際協調を軽視し、国内外で分断をあおる「米国第一」主義者が導く超大国の行方を追う。

 

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