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【国際】

エジプト大統領選 政敵排除 高まる批判

カイロ市内では、シシ大統領の支持グループによる横断幕があちこちに掲げられている=25日、奥田哲平撮影

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 【カイロ=奥田哲平】三月下旬に予定されるエジプト大統領選は、立候補を表明していた人権派弁護士ハリド・アリ氏(45)が二十四日に出馬辞退を表明し、再選を目指すシシ大統領以外に候補者がいない異例の事態になった。前日には有力な対抗馬とみられた元軍参謀総長サミ・アナン氏(69)が拘束され、露骨な政敵排除に懸念の声が上がる。

 アリ氏はカイロ市内の陣営事務所で会見し、運動員の若者が各地で拘束されるなどの妨害があったと主張。選挙手続きが不公平と指摘し、「この選挙は始まる前に終わっている」と無念さをにじませた。

 アリ氏の辞退で、大統領選はシシ氏の再選が確実になった。立候補申請期間は二十九日までだが、国会議員二十人以上または有権者二万五千人以上の推薦署名が必要で、議員の大半はシシ氏支持で固まっている。

 一月初旬にはアフマド・シャフィク元首相が出馬辞退に追い込まれたほか、二十三日にアナン氏が軍紀違反の容疑で拘束された。アリ氏も昨年、懲役三カ月の有罪判決を受け、三月の控訴審で確定すれば、立候補資格を失う可能性があった。いずれもシシ氏の出身母体である軍や治安機関の圧力が働いた可能性がある。

 有力な対立候補とみられていたアナン氏の拘束について、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は二十四日、「表現の自由や政治参加の自由に対する恥知らずの攻撃だ」と非難した。

 アナン氏が警戒されたのは、陣営幹部に元会計検査院トップのヒシャム・ギネイナ氏を据えたことも要因だ。ギネイナ氏は、シシ氏が二〇一三年の軍事クーデターで政権から追放したイスラム主義組織「ムスリム同胞団」に近い。「テロ組織」とみなすシシ政権はメンバー摘発に力を入れる。

 デモやメディアへの統制が人権侵害との批判を受ける中、出馬演説で「国際社会にエジプトの民主主義を示そう」と訴えたシシ氏。言葉と裏腹に強権手法が改めて印象付けられた形だ。

 

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