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【国際】

シリア侵攻 長期化の恐れ トルコ大統領「戦い続く」

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 【カイロ=奥田哲平】クルド人勢力の排除を目的にシリア北西部アフリンに侵攻したトルコ軍が、東方のイラク国境に向け戦線を拡大させる動きを見せている。ロイター通信によると、トルコのエルドアン大統領は二十六日、「テロリストを全滅させるまで戦いは続くだろう」と発言。シリア駐留の米軍部隊撤退も要求しており、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する両国軍の偶発的衝突の懸念が高まっている。

 トルコ軍や協力するシリア反体制派「自由シリア軍」(FSA)は、シリア北部アザーズを前線にし、西側のアフリンでクルド人勢力「民主連合党」(PYD)と戦闘を続ける。さらに東側の都市マンビジュにも作戦範囲を拡大させる構えだ。マンビジュは二〇一六年にPYDが過激派組織「イスラム国」(IS)から奪還し、PYDを支援する米軍部隊が駐留する。

 トルコ大統領府は二十七日、米国のマクマスター大統領補佐官が、PYDへの武器供給を停止することを約束したと発表。真偽は不明のままだが、チャブシオール外相は「与えた武器を集め、マンビジュから即時撤退する必要がある」とけん制した。

 軍事侵攻は二十日に始まり、エルドアン氏は当初「短期間で終わる」と話していた。アフリンへの攻撃は悪天候やクルド人勢力の抵抗で大きな進展は見られず、戦線を拡大すれば混乱の長期化は避けられない。シリア人権監視団(ロンドン)によると、これまでにアフリンで市民三十八人が死亡。PYDとトルコ側の戦闘員百十一人が戦死した。

 トルコは、PYDを国内の非合法組織、クルド労働者党(PKK)と一体として敵視し、軍事侵攻を「自衛権の行使」と正当化する。しかし、その実態はシリア内戦後を見据えた勢力争いで、アサド政権の後ろ盾であるロシアとイランに急接近する一方、米国との対立を深めている。

 

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