東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

連邦地裁判事「深い懸念」 米移民擁護活動家 次々拘束

 【ニューヨーク=赤川肇】トランプ米政権が移民規制を強化する中、移民の人権擁護を訴える活動家らが突然、米移民税関捜査局(ICE)に拘束されたり強制送還されたりするケースが相次ぎ、「人権活動の抑圧だ」との反発や懸念が広がっている。ニューヨークの連邦地裁は一月二十九日、ICEの取り締まり手法を「不必要に冷酷」と非難し、拘束中の男性の釈放を命じた。

 男性はトリニダード・トバゴ出身のラビ・ラグビールさん(53)。ニューヨーク市で移民の権利擁護を訴える団体の共同代表を務めている。地裁決定によると、一九九四年に得た永住権が二〇〇一年の有罪判決で失効後、ICEへの定期的な現状報告などを条件に送還を猶予されていたが、一月十一日に急に拘束され、送還を言い渡された。

 キャサリン・フォレスト判事は決定理由で「私たちは、何年も事件を起こさずに生きてきた人を前触れなく連行し追い払うような不当な国ではない」と手続きの違法性を指摘。移民の代表としてラグビールさんがICEの標的になったとの見方があることにも触れ、「深い懸念」を表明した。

 AP通信によると、一月に入り、ラグビールさんとともに共同代表だった別の男性がハイチに強制送還された。西部コロラド州やワシントン州でも、移民活動家の家族が拘束されたり、犯歴のない活動家が強制送還のためにICEから呼び出されたりしている。

 ニューヨーク市のデブラシオ市長は一月三十日、ツイッターでラグビールさんの釈放を歓迎。ICEの対応を「移民社会に対するトランプ政権の非人道的な姿勢の表れだ」と非難した。

 ICEによると、二〇一七年に逮捕した不法移民は一六年より三割多い十四万三千人で、拘束件数は八割増。移民の主義主張を勘案した恣意(しい)的な取り締まりとの見方は全面否定する。地裁決定を受けた声明では、「法執行を『不当』とみなす論調は気掛かりだ」と批判、異議申し立てを検討していることを明らかにした。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報