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【国際】

「核体制の見直し」 軍拡競争進める恐れ

<解説>トランプ米政権が二日に公表した新核戦略指針「核体制の見直し」では、オバマ前大統領が希求した「核兵器なき世界」の理想を捨て、核の役割拡大を打ち出した。二〇二一年に期限を迎えるロシアとの新戦略兵器削減条約(新START)の延長交渉も一層困難になり、軍拡競争の引き金となりかねない。

 核増強へ方針転換した理由に挙げるのは、最近の安全保障環境の急速な悪化だ。核・ミサイル開発を強行する北朝鮮に加え、ロシアや中国も、小型核の配備など核の近代化を進めているとして、トランプ大統領は「比類なき力こそが確実な防衛手段になる」と強大な軍事力に基づく「力による平和」を追求する。

 だが、オバマ氏が主導してきた核軍縮の旗振り役の役割を放棄し、核使用のハードルを下げる姿勢を強めれば、各国に核増強や核保有の口実を与える。核兵器禁止条約の制定に貢献し、ノーベル平和賞に輝いた非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の取り組みも踏みにじる。

 北朝鮮が核開発を急ぎ、核戦争の懸念がこれまで以上に高まっている。先制不使用も否定するトランプ政権の核への偏重が、国際社会をより不安定化させる恐れがある。 (ワシントン・後藤孝好)

 

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