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【国際】

戦時マニュアル 全世帯に配布へ スウェーデン、ロシアを警戒

スウェーデン政府が1961年に全戸配布したマニュアル「戦争が起きたら」=同国政府提供

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 【ロンドン=阿部伸哉】スウェーデン政府は先月末、戦時など危機への備えをまとめた国民向けのマニュアルを五月下旬から六月上旬までに全戸に配布すると発表した。軍事面では中立政策をとってきたが、バルト海周辺で軍事行動を活発化させるロシアに対し急速に警戒感を募らせている。今年から約七年ぶりに徴兵制を復活。距離を置いてきた北大西洋条約機構(NATO)を巡っても、加盟の是非が議論されている。

 スウェーデン政府によると、同様の冊子を作成するのは冷戦真っただ中の一九六一年以来。当時は「戦争が起きたら」と題し、約五十ページにイラスト入りで、食料などの備蓄のほか、化学兵器や核兵器への備えまで盛り込んでいた。

 今回は「自然災害やサイバー攻撃、テロ、偽情報への対策など、平時での危機対応も幅広く扱う。特定の国との有事を想定したものではない」と政府当局者。しかし、バルト海を挟んだ対岸は、リトアニアとポーランドに挟まれたロシアの飛び地・カリーニングラード州で、ロシアのプーチン政権が対NATO戦略の拠点と位置付けて軍事力強化に余念がないだけに、スウェーデンは安全保障上の懸念を深めている。

 二〇一四年のロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合後、NATOは旧ソ連のバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の独立が脅かされる事態も排除できないとみて緊急即応部隊を増強。

 対抗するかのように、ロシアからとみられる国籍不明の戦闘機や潜水艦が、スウェーデン領空や領海にも侵入を繰り返す。人口一千万弱のスウェーデンにとっては大きな脅威で、昨年九月にNATOとの合同軍事演習に踏み切った。ロシアも同時期にロシア西部やカリーニングラードなどで十万人規模の大演習を実施。かつてなく緊張が高まり、スウェーデンの中道右派の野党四党はそろってNATO加盟を支持している。

 

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