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【国際】

李元大統領、五輪後聴取か 韓国 不正資金疑い

李明博氏=聯合・共同

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 【ソウル=上野実輝彦】韓国の情報機関・国家情報院が李明博(イミョンバク)政権に多額の不正資金を上納していたとされる事件で、李氏への包囲網が狭まっている。ソウル中央地検は側近への捜査を通じ、李氏が上納を指示していたと認定。李氏への直接捜査が不可避との見方が強まる一方、革新政権による保守派への政治報復との批判も上がっている。

 地検は五日、国情院が情報収集に使う「特殊活動費」約四億ウォン(約四千万円)を受け取ったとして、李氏の「執事」とも呼ばれた側近で大統領府元総務企画官の金伯駿(キムペクチュン)容疑者(78)を収賄罪などで起訴。起訴状で「李氏が国情院に支援を要請した」と指摘し、「事実上の主犯」と認定した。

 六日には、李政権で政務首席秘書官を務めた大学教授の事務室を捜索。韓国メディアは平昌冬季五輪終了後の三月初めにも、容疑者として李氏の出頭を求め取り調べる可能性が高いと報じている。

 検察は昨年、インターネットを通じた世論操作を指示した疑いがあるとして李政権当時の閣僚らを逮捕。だが起訴に持ち込めず、李氏への捜査をいったん断念した。その後、朴槿恵(パククネ)政権下での国情院による上納事件を調べる中で、李政権下の事例が発覚。当時の大統領府高官らが、韓国紙のインタビューで李氏の関与を相次いで暴露した。韓国の法曹関係者は「絶対に検挙するという検察の執念、政権の意志を感じる」と話す。

 韓国では政権交代するたびに汚職捜査が行われ、元大統領や親族が立件された。盧武鉉(ノムヒョン)元大統領は検察の事情聴取後に自殺した。当選時「私を支持しなかった人にも仕える大統領になる」と述べた文在寅(ムンジェイン)大統領には、保革対立解消への期待が集まったが、保守政権への追及を強める現政権には失望感が広がっている。

 李氏は「保守勢力を壊滅させるための政治工作だ」と反発。中央日報は社説で「政権交代ごとに繰り返す不幸の連鎖を断ち切ることが課題だ」と主張した。

 

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