東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

妹・金与正氏ら訪韓へ 北高官団と文氏あす会談

 【ソウル=城内康伸】平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開幕に合わせ九日、北朝鮮は最高人民会議(国会に相当)の金永南(キムヨンナム)常任委員長を団長とする高官代表団を韓国に派遣する。韓国大統領府は八日、代表団が文在寅(ムンジェイン)大統領と十日に会談すると発表。代表団には金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、与正(ヨジョン)氏も含まれる。北朝鮮最高指導者の直系血族が訪韓するのは初めて。南北融和を演出し、米韓同盟にくさびを打ち込む狙いがある。

 韓国統一省によると、代表団は専用機で韓国入りする。十一日まで滞在する予定。金永南氏は五輪開幕式に出席する見通し。与正氏も同席するとみられる。

 韓国大統領府当局者は与正氏について「(北朝鮮の中枢で)相当な役割が付与されているだろう。(文氏と)深い協議ができるのではないか」と期待。正恩氏からのメッセージを携えているか注目される。ただ、当局者は北朝鮮の核問題について「最も奥に位置する問題ではないか」と述べ、慎重に扱う考えを示唆した。

 八日に訪韓したペンス米副大統領と高官代表団が接触するかも焦点。朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省幹部は七日、米朝接触の可能性を否定している。

 米財務省は昨年一月、与正氏が人権侵害に関与したとして制裁対象に指定。代表団には、国連安全保障理事会決議で渡航禁止などの制裁対象となっている崔輝(チェフィ)国家体育指導委員長も含まれており、韓国は安保理の北朝鮮制裁委員会に制裁免除を要請中だ。

◆正恩氏が最も心を許す「代理人」

 【ソウル=城内康伸】北朝鮮高官代表団メンバーとして九日に訪韓する金与正氏は、金正恩朝鮮労働党委員長の実妹で、正恩氏が最も信頼する人物だ。北朝鮮建国の父、金日成(キムイルソン)主席の家系「白頭山血統」の人物が訪韓するのは今回が初めて。韓国メディアは「正恩氏の代理人」と伝えている。

 与正氏は金正日(キムジョンイル)総書記と元在日朝鮮人の高ヨンヒ夫人との間に長女として生まれた。三十歳前後とされ、米政府は正恩氏より五歳年下で生年月日を一九八九年九月とする。小学生のころ、正恩氏とスイスに留学。その後、名門の金日成総合大学を卒業した。二〇一一年十二月、金総書記の弔問行事で涙を流す姿が北朝鮮メディアで流れ、注目を浴びた。

 以後、国内行事で正恩氏を補佐する活動が増え、韓国統一省によると、一四年十一月に体制宣伝を担当する党宣伝扇動部副部長に就任。一六年五月の党大会で党中央委員に選出され、昨年十月の党中央委員会総会で政治局員候補にスピード出世。同十二月に開かれた党末端組織の幹部集会では、正恩氏と共にひな壇の最前列に座り、存在感を急速に高めている。

 数多くの幹部を処刑、孤独感を深める正恩氏にとって、与正氏は最も心の許せる存在のようだ。他の高官が正恩氏に対してうやうやしく振る舞う中、与正氏が気安く話し掛ける様子を、北朝鮮メディアは捉えている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報