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【国際】

圧力抑え融和優先 文氏「会ったことが重要」

11日、ソウルで、三池淵管弦楽団の公演を観覧する金与正・朝鮮労働党第1副部長(左)と韓国の文在寅大統領=聯合・共同

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 【ソウル=上野実輝彦】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹で、特使として訪韓した金与正(キムヨジョン)党第一副部長ら北朝鮮代表団が十一日、二泊三日の日程を終えて帰路に就いた。この間、文在寅(ムンジェイン)大統領が与正氏に四回にわたって会ったほか、政府高官が何度も食事会を催すなど、韓国政府は代表団を最大限に歓待。対話を最重視する姿勢を示した半面、過度な待遇だと批判的な声も出ている。

 与正氏らは十一日夜、文氏夫妻や国会議長らとともに、ソウルで開かれた北朝鮮の芸術団「三池淵(サムジヨン)管弦楽団」の公演を鑑賞。代表団長の金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長は公演の途中で涙を流し、何度かハンカチで目を覆った。金氏は文氏に「相互訪問のきっかけが作れた。再会を楽しみに帰る」と話しかけ、文氏は「会ったことが重要だ。この火種がたいまつに育つよう南北が協力していこう」と応じた。また与正氏は公演後、大統領夫人に「大統領と一緒に必ず平壌に来てください」と求めた。

 会場周辺では五百メートル先まで配置された警察官が一般人の通行を規制。保守派の市民数百人が集まって抗議集会を開き、ソウルの朴義龍(パクウィリョン)さん(76)は「北朝鮮をもてなして体制宣伝に手を貸す文政権は退陣すべきだ」と声を荒らげた。

公演で涙を拭う北朝鮮の金永南・最高人民会議常任委員長=聯合・共同

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 代表団の滞在中、文氏は十日の会談や平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式など、与正氏とは四回、金永南氏とも五回にわたって同席。会談以降は文氏や統一相、首相ら政府高官が計四回も代表団のための食事会を開いた。

 政府系シンクタンク世宗(セジョン)研究所の金振武(キムジンム)客員研究委員は「食事会や会談の中で、北朝鮮の核問題に一切触れられていない。遠回しにでも伝えるべきではないか」と懸念を示している。

 

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