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【国際】

米大統領、銃規制触れず 容疑者の資質を強調

 【ワシントン=石川智規、パークランド=赤川肇】米南部フロリダ州パークランドの高校で起きた銃乱射事件を受け、トランプ米大統領は十五日の演説で、「メンタルヘルスの問題に取り組む」と述べ、クルーズ容疑者の精神衛生面での不安定さを強調し、焦点である銃規制の必要性には一切言及しなかった。現場の高校近くでは同日、犠牲となった生徒や教職員ら十七人の追悼集会が行われた。

 トランプ氏の演説からは今回の事件をめぐる論点を、銃規制の是非から個人の資質にすり替えようとする姿勢がみてとれる。

 「精神的な混乱を示す兆候が数多くあった。不規則なことをして学校を退学させられていた。近隣住民や同級生は、彼に大きな問題があると知っていた」。トランプ氏は同日朝、ツイッターでこうまくしたてた。

 その後にホワイトハウスで行った演説では、事件が起きたパークランドを今後視察し、学校の安全対策を強化すると説明。「学校を救い、メンタルヘルスの問題に取り組む」と強調した。

 トランプ氏は過去の銃撃事件でも、「悪いのは人であり、銃ではない」と述べたことがある。銃乱射事件の背景を、個人の問題に特化させて銃規制の話題を避ける論法は、自らも支援を受ける有力なロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」の姿勢と重なる。

 カリフォルニア州選出で民主党のペロシ院内総務は、記者団に対し「自分の議席を守ることよりも、銃規制を実現したい。これは人々の命の問題だ」と訴えた。

 追悼集会に参加した同校三年生のセバスチャン・ペレスさん(17)は「(容疑者に)精神面の問題があったとは思わない」と強調する。火災報知機を鳴らすなど問題行動が絶えなかったが「周囲の注意を集めたかっただけ」とみる。事件で小学生時代からの友人を失った三年生のダニエル・デュアニさん(18)は「誰も彼をいじめず、近寄らなかった。単におかしい男だった」とやり場のない怒りを口にした。

 高校周辺に張られた規制線の外から捜査を見守った三年生のティキマ・ホーガンさん(19)は「酒も買えない十九歳が銃を買えるなんて…。そこを規制するだけでも、学校はもっと安全になるはずなのに」と規制強化を強く訴えた。

 

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