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【国際】

シリア内戦 ロシアの「民間兵」多数死傷か

 【モスクワ=栗田晃】シリア東部で今月、米軍主導の有志連合がアサド政権軍に加えた空爆で、死傷者に多数のロシア人がいたとみられることが臆測を呼んでいる。プーチン大統領は昨年十二月、過激派組織「イスラム国」(IS)に勝利宣言し、シリアからの軍撤退開始を指示したが、正規兵以外が地上作戦に参加する疑惑が浮上。政権に近い民間軍事会社が非合法の雇い兵を派遣したとの報道もあり、正規兵の犠牲を抑え、国内の批判をかわそうとする思惑ものぞく。

 ロイター通信は十五日、空爆で民間軍事会社のロシア人約三百人が死傷したと報じた。ロシア軍医の話として、八十〜百人が死亡したとも伝えた。ロシア外務省のザハロワ情報局長は同日、「ロシア人とみられる死者は五人だ。軍人ではない」と多数の死傷を否定。ラブロフ外相も十九日、「自分たちの利益のための情報操作だ。具体的な根拠がない」と報道を批判した。

 ロシアの法律では雇い兵の募集や派遣、雇い兵として戦闘に加わることも禁じており、民間軍事会社の存在は「グレーゾーン」だ。

 シリアでのロシアの軍事作戦は二〇一五年九月の開始当初、アサド政権を支援するための空爆に限定。ロシア国防省が認める戦死者は約四十五人だが、サンクトペテルブルクのニュースサイト「フォンタンカ」は、昨夏の時点で民間軍事会社がシリアに二千人以上を派遣し、百人以上が犠牲になったと伝えた。フォンタンカなどによると、民間軍事会社はロシア軍元中佐が創設。飲食店グループなどを経営し、「プーチンの料理人」と異名をとる実業家エフゲニー・プリゴジン氏が関与するとされる。

 プリゴジン氏は、ロシアによる米大統領選介入疑惑で、情報工作を請け負ったとされるサンクトペテルブルクの企業の出資者としても名前が浮上。捜査する米国のモラー特別検察官が、十六日に起訴を発表したロシア人十三人の一人だ。

 プーチン政権はプリゴジン氏との特別な関係を否定するが、雇い兵や情報工作など表に出せない仕事を、広く引き受けさせていた可能性もある。

 

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