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【国際】

独・社民 連立是非問う メルケル政権樹立へ最終関門

19日、ベルリンでCDUの幹部会議に出席するメルケル首相(左)とクランプカレンバウアー・ザールラント州首相=AP・共同

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 【ベルリン=垣見洋樹】ドイツのメルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立政権の継続で合意した第二党、社会民主党(SPD)は二十日、全党員約四十六万人に合意の是非を問う投票を始めた。投票は政権樹立に向けた「最後の関門」で、承認されれば約五カ月にわたる政局の混乱は収束する。だが、否決されればメルケル氏は少数与党か再選挙に追い込まれる。

 「これまでの連立政権では両党の合意事項が果たされてこなかった」。連立の継続に反対するSPD青年部代表のキューネルト氏は、党員投票で否決を訴えた。連立交渉で妥協を重ねたSPD執行部は批判を浴び、求心力の低下が著しい。

 党首のシュルツ氏は昨年九月の総選挙で大幅に議席を減らしたのを受け、連立交渉で合意した今月七日、「党の刷新が必要」と党首辞任を表明。一方で、新政権発足後は外相に就く意向だったが、かつて「メルケル氏の下で大臣は務めない」と発言していたこととの整合性を問われ、外相就任の撤回に追い込まれた。

 シュルツ氏は後任党首に初の女性党首となるナーレス元労働社会相を指名。だが、これも「執行部の独断」と党内の反発を買った。

 十九日に公表されたINSA社の世論調査では、SPDの政党支持率は15・5%で三位。反難民の新興右派「ドイツのための選択肢」(16%)に初めて抜かれた。党員投票で連立を否決すれば再選挙の可能性が高まるが、そうなればSPDは選挙で議席を減らす公算が大きい。それが「危機バネ」となり、逆に党員投票で承認を取り付けるのに有利に働くとの見方もある。

 DPA通信は60%の確率で、連立継続が「承認」される方が有利という専門家の予想を紹介。ナーレス氏は二十日、DPAに「連立を継続するかどうかは党執行部だけの決定ではない。全員で一緒に決める」と連立継続に理解を求めた。

 投票は郵便で三月二日まで受け付け、結果は四日に公表される。承認されれば三月前半にもメルケル首相四期目の新政権が発足する。

◆首相後継候補 新幹事長に

 【ベルリン=垣見洋樹】メルケル首相は十九日、CDUの新しい幹事長に、西部ザールラント州首相のアンネグレート・クランプカレンバウアー氏(55)を指名した。メルケル氏の信頼が厚く、独メディアは「後継首相候補」として注目している。

 メルケル氏は、連立協議でSPDに財務相など主要閣僚ポストを譲ったことなどで党内の反発を招き、若手から世代交代を求める声が上がっていた。

 メルケル氏は十一日、独公共放送ZDFに対し「私は四年務めると約束した」と辞任を否定する一方で、政府や党に新たな人材を登用する方針を示していた。

 クランプカレンバウアー氏は昨年三月の州議選でCDUを率い、接戦の予想を覆し勝利を収めた。冷静で理知的な手法はメルケル氏に似ている。メルケル氏も首相になる前に幹事長を務めた。

 大勢の難民が流入し、新興右派「ドイツのための選択肢」が伸長したのを受け、CDU党内ではリベラルなメルケル氏に対抗し右派勢力が台頭。独メディアによると、メルケル氏はクランプカレンバウアー氏を自身の中道路線を引き継げる人材とみなしている。

 

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