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【国際】

トルコと本格衝突 懸念 シリア政権派民兵、アフリン入り

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 【カイロ=奥田哲平】シリアの親アサド政権派の民兵組織が二十日、クルド人勢力が支配下に置く北西部アフリンへのトルコ軍の越境作戦を阻止するため、アフリンに到着した。これに対してトルコ軍は威嚇砲撃を実施。クルド系メディア「ルダウ」によると、民兵側の二人が死亡し、三人が負傷した。トルコ軍と政権側との本格的な武力衝突が懸念される。

 シリア人権監視団(ロンドン)によると、数百人規模で車列を組んだ民兵組織が「一つのシリア」と叫んで国旗を振りながら、アフリン南東部に入った。トルコのエルドアン大統領は、トルコ軍の砲撃後に「彼ら(民兵組織)は引き返した」と述べたが、アフリン行政評議会のヒヴィ・ムスタファ共同議長は本紙に「トルコ軍の攻撃は続いているが、政権派の部隊はすでにトルコ国境付近の予定していた配備に就いた」とし、情報は交錯している。

 トルコは、シリアのクルド人民兵組織「人民防衛部隊」(YPG)を国内の非合法組織「クルド労働者党」(PKK)の分派とみなし、国境付近から排除する目的で一月二十日から越境攻撃を続ける。劣勢のYPGが、アサド政権に軍事介入を呼び掛けていた。

 エルドアン氏は十九日、アサド政権の後ろ盾のロシアとイランの両首脳と電話協議し、民兵組織がアフリンに入らないよう警告。「この問題でプーチン、ロウハニ両大統領と合意した。残念なことに、テロ組織が勝手な判断で間違った行動に出た。重い代償を払うだろう」とけん制した。

 トルコ軍のアフリン侵攻を巡っては、これまで市民百十人以上が犠牲になり、双方の兵士計四百人以上が死亡した。トルコ軍はすでに国境付近の村落四十五カ所を掌握している。アサド政権派の民兵組織とYPGが共闘し、トルコ軍と本格交戦になれば、被害拡大は避けられない。

 一方で、アサド政権は正規軍を派兵していない。最大の後ろ盾となっているロシアは、トルコ軍の越境攻撃を容認しており、配慮した可能性がある。政権側には自治拡大を目指すクルド側の勢いをそぎたい思惑もあるとみられる。

 

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