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【国際】

コソボ、遠い春 独立宣言10年 国家自立へ 戦犯裁判の試練

コソボ南西部クルシェエマーデにある虐殺犠牲者らの墓地=共同

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 旧ユーゴスラビア崩壊の過程で起きた武力紛争を経て、セルビアの自治州だったコソボが、2008年2月に一方的に独立を宣言してから10年。国家自立への最大のハードルとして、セルビアとの関係正常化や、コソボ自身の戦争犯罪を処断する試練に直面する。

 「ドイツやスイスでも人気で、注文に生産が追い付かないの」。「寡婦の村」と呼ばれる南西部クルシェエマーデ。セルビア部隊の虐殺で夫ら親族5人を失ったファハリエ・ホティさん(48)は唐辛子ベースのペースト「アイバー」を製造販売する組合を設立、夫を亡くした村の女性たちと自らの生計を支えてきた。

 コソボの多数派、イスラム教徒のアルバニア系住民数千人が住むこの村が襲撃されたのは1999年3月25日で、16歳以上の男性220人超が虐殺されたという。その前日、北大西洋条約機構(NATO)が「人道危機」を名目にセルビア空爆に踏み切っていた。

 当時幼子だった娘と息子は無事で、今は大学生。ホティさんは「セルビアが過ちを認め謝罪すれば許せるかもしれない」。

 セルビア人にとってコソボは中世セルビア王国の中心で、キリスト教のセルビア正教の聖地を抱える民族のルーツ。セルビアはコソボ独立を認めず、関係正常化は至難の業だ。

 一方、紛争のコソボ側の当事者で、セルビア系住民を拉致、殺害し、臓器を売買した疑いがあるアルバニア系武装組織「コソボ解放軍」の戦争犯罪を裁くプロセスも大詰めを迎える。

 EU主導でコソボ自身が設置した戦犯法廷は、EU加盟を目指すコソボには避けて通れない道だ。元解放軍幹部だったサチ大統領ら国の中枢が起訴され、民族間の対立を再燃させる恐れがある。 (プリシュティナ・共同)

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