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【国際】

高校生、銃規制「あきらめない」 教員武装化に疑問の声

 【ニューヨーク=赤川肇】米南部フロリダ州の高校で十七人が死亡した銃乱射事件で、地元警察当局は二十二日、銃を所持した武装警官一人が敷地内にいたが、元生徒のニコラス・クルーズ容疑者(19)の犯行を放置していたと発表した。トランプ米大統領が学校での銃撃対策として教員らの銃携行の必要性を指摘しているが、「武装警官でも何もできなかったのに…」と懐疑的な見方が出ている。

 記者会見したスコット・イスラエル保安官によると、この警官は安全対策のため高校に配属されていた。乱射が約六分間に及んだ中、最初の銃声から一分半後には現場の校舎付近に着いたが、「決して校舎に入らなかった」ことが監視ビデオの映像で確認された。

 警官が対処しなかった理由は不明だが、保安官は「(映像は)衝撃的で、吐き気がした」と沈痛の表情で「校舎に入り、殺人者と対峙(たいじ)し、殺すべきだった」と述べた。詳しい内部調査が終わるまで休職処分としたが、本人から辞職願が出され受理したという。

 一方、トランプ氏は二十二日、ホワイトハウスで自治体関係者らとの会合で、銃武装のための訓練を受けた教員らに「ボーナス」を支給する案を披露。乱射を企てるのは「臆病者だ」として、「教員の二割が銃を持っている学校に足を踏み入れようとはしない」と持論を展開してみせた。

 これに対し、教職員組合「米国教員連盟」のランディ・ワインガーテン代表は声明を出し、「校内の銃を増やすほど教室の安全は損なわれる」などと反論。米CNNテレビに「学校現場を知ってほしい。ばかげている」と一蹴し、武装警官がいても容疑者が侵入してきた経緯に理解を求めた。

◆決意の運動 「訴えを子ども扱いする議員もいた」

21日、米アリゾナ州トゥーソンでデモを行った高校生ら=Mike Christy/Arizona Daily Star提供(AP・共同)

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 【ニューヨーク=赤川肇】米フロリダ州の高校銃乱射事件で、銃そのものの規制強化を求める運動を始めた在校生の一人は二十二日、本紙の電話取材に対し「こうした事件を二度と起こさないため、あきらめない」と決意を語った。

 事件が起きた高校のエリザベス・イートンさん(16)は、「人や病気が事件の原因だとしても、銃を持てなければ誰も死ななかった。だから銃そのものも問題」と訴える。事件を教訓として、購入年齢の引き上げや購入時の審査強化などを求めている。

 二十一日には州都タラハシーで州議会の与野党議員らに直接訴えたが、「メモを取りながら耳を傾けてくれる人が多かったけど、子ども扱いで聞いてくれない人もいた」とイートンさん。「全米ライフル協会(NRA)からお金をもらったり、銃が生活の一部だったりする議員を変えるのは難しいけれど、私たちは闘い続ける」と話した。

 一方、与党共和党の有力支持団体で銃規制に反対するNRAのラピエール最高経営責任者(CEO)は二十二日、保守系団体の政治集会で演説。「エリートは銃の権利と自由を削除し、あらゆる個人の自由を根こそぎにしようとしている」と述べ、民主党などの銃規制論議を「悲劇の政治利用」と批判した。「銃を持った悪人を止めるには、銃を持った善人が必要」と、銃そのものの規制に反論した。

 事件を未然に防げなかった米連邦捜査局(FBI)の落ち度や容疑者個人の問題に矛先を向けている。

 

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