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【国際】

「米朝対話の用意ある」 文大統領に北高官語る

 【平昌(ピョンチャン)=上野実輝彦】金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長を団長とする北朝鮮の高官代表団が二十五日、平昌冬季五輪の閉会式出席のため二泊三日の日程で韓国入りし、文在寅(ムンジェイン)大統領と平昌で約一時間、会談した。文氏が米朝対話の速やかな開催を促したのに対し、強硬派とされる金氏が「対話するのに十分な用意がある」と回答。南北関係と米朝関係がともに発展しなければならないとの認識で一致した。

 北朝鮮は、平昌五輪の開会式に合わせて訪韓したペンス米副大統領と予定されていた金与正(キムヨジョン)党第一副部長との会談を、直前になってキャンセルしたとされる。

 今回、米朝対話に前向きな姿勢を示したことで、会談に向けた動きが始まる可能性がある。北朝鮮代表団が、トランプ米大統領の長女で、訪韓中のイバンカ大統領補佐官ら米代表団と接触するか注目されたが、米政府高官は二十五日、「接触はなかった」と語った。

 韓国大統領府によると、文氏は北朝鮮が五輪の開閉会式に代表団を派遣し、五輪が安全に行われたことを評価するとともに、南北の合同入場行進や合同チーム結成などが平和な五輪につながったと評価。「南北関係が今後、広範囲に拡大され進展せねばならない」と強調した。

 北朝鮮側は「金正恩(キムジョンウン)党委員長も同じ意思を持っている」とする正恩氏の意向を文氏に伝えた。

 会談には韓国側から、鄭義溶(チョンウィヨン)国家安全保障室長と徐薫(ソフン)国家情報院長が同席。北朝鮮側は対韓国窓口機関・祖国平和統一委員会の李善権(リソングォン)委員長が出席した。

◆米韓演習見を送らせる狙い

 【北京=城内康伸】北朝鮮の金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が二十五日、文在寅(ムンジェイン)韓国大統領との会談で、米朝対話に前向きな発言をしたのは、平昌(ピョンチャン)冬季五輪とパラリンピック終了後に予定される米韓合同軍事演習を見送らせる狙いだ。融和姿勢をアピールすることで、北朝鮮への制裁強化を優先する米国に、朝鮮半島の緊張激化の責任を押し付ける思惑もある。

 北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会報道官は二十四日に声明を出し、「わが国はいかなる場合も、米国に対話を懇願しない」と金英哲氏の発言とは正反対の立場を強調した。

 北朝鮮は自国が「核保有国」だとの立場を重ねて強調しており、非核化の意思は希薄だ。金英哲氏の発言は、米朝対話の早期再開を主張する文氏へのリップサービスの側面もある。演習の中止や先延ばしを実現させるために、米韓を揺さぶるものだ。

 二十五日付の労働党機関紙・労働新聞は米韓演習に関し、「再開されれば、わが軍民はそれに断固として対処する」と警告した。

 また、北朝鮮外務省の報道官は二十五日、トランプ政権による最大規模の制裁について「いかなる封鎖もわれわれに対する戦争行為とみなす」と強く非難。北朝鮮が対話姿勢を装うのは制裁の効果が出ていることも意味している。

 

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