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【国際】

「シリア戦闘を止める一助に」 民間救助隊追った映画、アカデミー賞候補に

 【ニューヨーク=赤川肇】国連安全保障理事会の停戦決議採択後も戦闘が続くシリアで、負傷者らを救助する市民組織「シリア民間防衛隊」を追った記録映画が、米ロサンゼルスで四日(日本時間五日)発表される第九十回米アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされている。シリア出身のフィラス・ファイヤド監督(33)は本紙の取材に「戦闘を止める一助にしたい」と語った。

 作品は「アレッポ 最後の男たち」。「ホワイト・ヘルメッツ」と呼ばれる防衛隊の男性二人を中心に、子どもを含む一般市民が犠牲になっている日常や、死と隣り合わせの救助活動を続ける責任感と苦悩を描く。「内戦がどれほどシリア社会を破壊しているのか。そこに焦点を当てた」

 安保理は二月二十四日、人道支援のためにシリア全土で最低三十日間の停戦を求める決議を採択したが、アサド政権軍は攻撃を継続している。首都ダマスカス近郊の反体制派支配地域、東グータ地区では先月十八日以降の死者が六百四十人を超えた。東グータでも防衛隊が命がけの救助活動を続ける。

 監督は「安保理決議の有名無実化は、世界の平和や正義にとって脅威だ」と懸念。停戦には国際社会の強力な「圧力」が必要と指摘し、「日本の人々にはシリア人と連帯し、日本政府を通して国連や国際社会を動かしてほしい」と呼び掛ける。

 相次いで発覚した著名プロデューサーらのセクハラ問題でも注目を集める今年のアカデミー賞。監督は「世界を変えるために影響力のある舞台。セクハラや人種差別、移民の人権など、それぞれが声なき被害者の声を代弁すべきだ。私は戦争の被害を訴えたい」と力を込めた。

 

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