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【国際】

東グータ 3分の1制圧 シリア政権軍 住民ら死者730人超

 【カイロ=奥田哲平】シリア人権監視団(ロンドン)によると、シリアのアサド政権軍は五日、首都ダマスカス近郊の反体制派支配地域、東グータ地区への地上進攻を本格化させ、三分の一を制圧した。ロシアが提案した一日五時間の時限停戦の開始から五日で一週間。攻撃は収束せず、住民の避難は進んでいない。

 政権軍は二月末に地上部隊を投入し、中心都市ドゥーマまで三キロの地点に迫った。四日にも空爆で市民三十五人が死亡。政権軍の攻撃が激化した先月十八日以降、子ども百七十一人を含む七百三十九人が犠牲となった。

 国連安全保障理事会は先月二十四日、シリア全土で三十日間の停戦を求める決議案を採択。だが、テロ組織を停戦対象外とする決議内容を盾に、アサド大統領は四日、国営メディアで「二日間の進軍は停戦下で行われた。停戦と戦闘の間に矛盾はない」と述べ、攻撃をやめる考えはない。

 しかし、東グータ中心部の地下室で暮らす無職アビール・ライエスさん(37)は電話取材に「東グータを脱出できても政権軍に拘束されるかもしれない。ここに残る方がいい」と不信感をあらわにした。生活物資の不足は深刻で、毎日一食、パンや缶詰を家族で分け合う生活が続く。援助を足止めされていた国連は五日、トラックで食料や医薬品などを運び込んだ。

 米ホワイトハウスがアサド政権の後ろ盾となっているロシアを「無実の市民を殺害している」と激しく非難するなど欧米首脳や国連は停戦決議履行を求めているが、無力感も漂う。モアザ・ハディさん(22)は「政権軍が市街地に入ってくれば、住民の被害は一層拡大する。国際社会は目を覚ましてほしい」と訴えた。

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