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【国際】

米朝首脳 「5月までに」会談の意向 正恩氏要望 トランプ氏受諾

 【ワシントン=後藤孝好】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との面談結果を説明するために訪米した韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)大統領府国家安保室長は八日午後七時(日本時間九日午前九時)、正恩氏がトランプ米大統領に早期の会談を要望し、トランプ氏はこれに応じて五月までに首脳会談を実現させる意向だと明らかにした。ホワイトハウスでトランプ氏と会談後、記者団に明らかにした。正恩氏は非核化に取り組み、核・ミサイル実験を凍結する意向を表明したという。実現すれば、初の米朝首脳会談となる。 

 サンダース米大統領報道官は会談の場所と具体的な日程は未定だと説明。トランプ氏はツイッターで「正恩氏は核開発の凍結だけでなく非核化にも言及した。大きな前進だ」と投稿した。トランプ氏は北朝鮮が非核化の意思を示さなければ対話に応じない方針を示してきたが、正恩氏の軟化を評価したとみられる。

 一方で、トランプ氏は「合意に達するまで制裁は維持される」とも表明。鄭氏も記者団に「過去の過ちは繰り返さない。北朝鮮がその言葉に見合う具体的な行動をとるまで、圧力は継続する」と明らかにした。

 鄭氏はトランプ氏との会談で、正恩氏が非核化に取り組む意思を表明していたと伝達。「トランプ氏と早く会うことを熱望していた」と述べた。正恩氏は三月のパラリンピック後に予定されている米韓合同軍事演習に関しても「理解」を示し、従来の反対姿勢を一転させたという。ホワイトハウスによると、正恩氏からトランプ氏へのメッセージは口頭で伝えられた。

 韓国の特使団は五日に平壌で正恩氏と会談。南北首脳会談を四月末に軍事境界線がある板門店の韓国側施設で開くことで合意した。

◆北、体制維持 強い危機感 米、圧力継続 真意見極め

 【北京=城内康伸、ワシントン=後藤孝好】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が、トランプ米大統領に早期の首脳会談要請という予想外のカードを切った。国際社会の制裁による経済的打撃が深刻で、米国による軍事攻撃を懸念。体制維持に相当な危機感を持っていることを示している。

 制裁は市場経済化が進む北朝鮮を直撃している。北朝鮮消息筋は「北朝鮮の企業はほとんど身動きがとれない状況になっている」と説明。正恩氏自身も一月の新年の辞で、制裁が「生存を脅かしている」と認めている。

 米国は制裁を緩めない方針を明らかにしており、韓国情報機関・国家情報院は制裁が徹底されれば、今年の外貨収入は二〇一六年比で半分以下に落ち込む可能性を指摘する。

 故金正日(キムジョンイル)総書記は二〇〇〇年、当時のクリントン大統領に訪朝を招請。米朝双方が特使を相互派遣し、米大統領の訪朝直前までこぎ着けたが、大統領の任期切れで実現しなかった。正恩氏は父と同様に、苦境打開のため「米朝首脳会談カード」で正面突破を図るという大勝負に出た。

 トランプ氏が正恩氏の招請を受け入れる考えを示したのは、独裁国家の北朝鮮とはトップ同士の交渉を行わない限り、核・ミサイル問題を平和的に解決する道はないという判断があるためだ。

 トランプ氏は一昨年の米大統領選中から、正恩氏との直接対話に繰り返し意欲を表明。同時に限定攻撃など軍事行動を辞さない強硬姿勢と経済制裁を徹底し、北朝鮮に軟化を迫ってきた。

 トランプ政権は、北朝鮮がトップ交渉を求めてきたのは、こうした「最大限の圧力」が功を奏しつつあると自信を深める一方、北朝鮮の核放棄の意思が本物かどうか懐疑的な見方も根強い。今後も、経済制裁の緩和や見返りを与えることはせず、最大限の圧力を継続した上で、核・ミサイル実験の凍結に加え、核そのものの破棄も要求し、真意を慎重に見極める方針だ。

 

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