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【国際】

英、ロ関与「極めて高い」 元情報部員暗殺未遂 対抗措置を示唆

 【ロンドン=沢田千秋】英国で起きたロシアの元情報機関員らへの暗殺未遂事件で、メイ英首相は十二日、議会下院で、「事件で使われたのは、ロシアが開発した軍用の神経剤ノビチョクの一種だ」と明言、ロシアが関与した可能性が「極めて高い」と結論づけた。十三日までにロシアから信頼に足る回答がない場合、これまで以上の対ロ制裁に踏み切ると強く警告した。

 元ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)大佐セルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリアさん(33)は四日、英南部ソールズベリーの商業施設の屋外ベンチで意識不明で見つかり、現在も回復していない。

 メイ氏は十二日の国家安全保障会議で、二人に使われた神経剤が、英南部ポートンダウンの英軍化学兵器研究所の構造解析により、ノビチョクの一種と報告を受けた。ノビチョクはロシア語で「新参者」を意味し、冷戦期の一九七〇〜八〇年代に旧ソ連で開発された。

 メイ氏は、現在のロシアも生産能力を持つと指摘したうえで、「ロシア政府が直接関与したのか、ロシアがノビチョクを管理できず何者かの手に渡ったのか、いずれかしかない」と断言。ジョンソン外相は十二日、駐英ロシア大使を呼び、なぜこの事件が起きたのかなどを十三日までに説明し、即刻、化学兵器禁止機関(OPCW)に報告するよう求めた。

 メイ氏は「この事件はスクリパリ氏のみならず、市民を危険にさらした英国への無差別かつ無謀な行動だ。信頼できる回答がなければ、ロシアの英国に対する違法な武力行使とみなす」と述べ、英議会で大規模な対ロ制裁の実施を表明するとしている。

<ノビチョク> 旧ソ連が1970〜80年代に開発した神経剤の一種。北大西洋条約機構(NATO)の化学兵器探知機をかいくぐり、防護服も通る性質を目指したとされるが、実際に検証はされていないという。英BBC放送によると、液体や粉末状などの固体で、神経伝達機能に障害を与え、死に至らせる。オウム真理教による殺人事件に使用された神経剤VXよりも5〜8倍、致死性が高いとの指摘もある。 (共同)

 

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